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2023.07.14

からだ

「夏の汗が一番クサイ」は本当だった!大人が気になるニオイ問題解決マニュアル【基本編】



マスクも本格的に外せるようになり、人との距離感も戻りつつある今日この頃。「あれ、なんか臭い……」なんて、ニオイに敏感になっている人も多いよう。

ここ数年、油断していた人も、気合いを入れて向き合わなきゃいけない季節がやってきた!

そんな気になる夏のニオイ問題を解決すべく、肌とカラダのスペシャリスト、まいこホリスティック スキンクリニック院長の山﨑まいこ先生に教えてもらった。
語り手は……
まいこホリスティック クリニック院長・山﨑まいこ先生●美容専門誌や女性誌などのメディア出演多数。多角的な視点から、肌やカラダの悩みに応える専門医。

まいこホリスティック スキンクリニック院長・山﨑まいこ先生●美容専門誌や女性誌などのメディア出演多数。多角的な視点から、肌やカラダの悩みに応える専門医。


そもそも汗をかく仕組みとは? 汗にも種類があるらしい……

はじめまして。まいこホリスティック クリニック院長の山﨑まいこです。

今回は、夏の汗とニオイ対策の基本編ということで、汗が出るメカニズムやニオイ問題を解決する方法について、お話しいたします。



まず、汗は大きく分けて、皆さんもよくご存知の体温調整のために出るものと、手汗など精神的な発汗のふたつがあります。

体温調整に関しては、かいた汗が気化する際にまわりの熱を奪うことで、体温を下げる大切な役割が。

もうひとつの精神的な発汗は、緊張やストレスによって起こるものです。

それ以外にも血流の問題で急な発汗をする場合などもありますが、だいたい普段皆さんがかくのは前出のふたつ。

また、汗が出る汗腺には、全身にあるエクリン腺と、主に脇や耳の穴、バストトップやおへそ、デリケートゾーンに分布しているアポクリン腺の2種類があり、その分泌物質によってニオイに差が出てきます。

汗をかくとなんで臭い? ニオイの原因とメカニズム



実は、汗自体はほぼ無臭なんです!

先ほども説明した、エクリン腺から分泌される汗は、99%が水分、残りの1%も塩分やミネラルなので、特に臭いません。なので、入浴後やサウナ後などのサラサラした汗の方が臭わないといった話もありますが、汗自体のニオイに差はほとんどありません。

では、なぜ発汗すると臭うかというと……

肌の表面にはたくさんの雑菌が生息しています。その雑菌がかいた汗をエサに繁殖し、その代謝物から発生するニオイがいわゆる“汗のニオイ”とされるものの正体です。

さらに、アポクリン腺から出る汗には、タンパク質や脂質など、雑菌の大好物な成分が水分と一緒に分泌されるので、より繁殖しやすく、ニオイもより強力になります。

ほかの季節よりも気になる夏のニオイ。汗の量だけが問題なのか?



夏は、特に汗のニオイが気になるという方も多いですよね。

単純に雑菌のエサとなる汗がほかの季節よりも多く分泌させることも原因ですが、ニオイに関して夏が一番怖いのは、雑菌が繁殖するために最適な栄養、湿度、温度がすべて揃うことです!

特に衣服などで蒸れやすい、脇やデリケートゾーン、髪の毛で空気が滞りやすい頭皮、靴や靴下によって密閉されている足は要注意ポイント。

ニオイに関してもですが、そのまま不衛生な状態で放っておくと、皮膚の病気にもつながる可能性があるので気をつけたいところです。

雑菌ケアがニオイ問題の要。効果的なニオイ対策とは?



先ほどまでのニオイの原因だけを話すと、雑菌がすごく悪者のように聞こえてしまいますが、雑菌のなかには皮膚を健康に保つために必要な常在菌も存在します。なので、まったく無くすことは不可能だし、現実的ではありません。

まずは、菌のエサとなる汗をしっかり拭き取ることが大切です。

理想は抗菌、殺菌効果のあるデオドラントアイテムを使うことですが、出てしまった汗を拭き取るだけでもニオイ対策としては十分です。

普段の会社生活などではなかなか難しいと思いますが、出勤や外回りなどで会社に着いたらトイレなどでさっと汗を拭き取りましょう。「汗をかきっぱなしにしない」という習慣を心がけてください!

また、汗を拭くときはウェットタイプのものがおすすめです。

乾燥したタオルよりも汗の水分だけでなく、代謝産物などもある程度拭き取ってくれるので。まずは、ウェットタイプのもので拭き取ってから乾かすか、ドライタオルでさらにもう一度拭くようにするとよりいいですね。

手軽にできるニオイ対策。ほかにもこんな裏技が!



先ほど紹介したように、とにかく汗をきちんと拭き取ることが一番のニオイ対策ですが、余計な雑菌を寄せ付けないことも大切です。

汗を拭ったタオルやハンカチにもたくさんの雑菌が繁殖します。「ちょっとしか使ってないからいいか」などと思って、きちんと洗濯しないで繰り返し使うと、そこに繁殖した菌が今度は体に移ってしまうことも。

面倒かもしれませんが、一度でも使ったタオルは抗菌効果のある洗剤で洗い、しっかり乾燥させてから使うようにしてください。毎日替えるのが難しい人は、使い捨てタイプのものを使用するのもいいですね。



また、銭湯やスパなど、大人数が使用するバスマットには必ずと言っていいほど菌が潜んでいます。これも足のニオイの原因になるので、少しでもマットを踏んだ際にはもう一度洗うことをおすすめします。

あと、手軽に取り入れられる対策としては、雑菌のエサとなる過剰な皮脂を抑えるなど調整してくれる働きのある、ビタミンB2B6のサプリを飲むのも効果的。

過剰な皮脂の分泌を抑えてくれるので、大人の脂でギトギト問題の解消にもなりますよ。


ということで、汗のメカニズムとニオイの原因について話を聞いてきた。

とにかく拭くことが一番のニオイ対策だったが、次回ではより効果的なデオドラントアイテムとベストな使い時について、さらに詳しく紹介していく。

こちらもお楽しみに!

大木 光=取材・文

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