人気モデル5選!サイズ選びのコツをプロが伝授
開放感の高いルックスとは対照的に、サイズ選びには複雑な要素が絡むビルケンシュトック。
しかし、要領さえ掴んでしまえば、そこまで難しいものではない。
という事で、ここからは特に人気の高い「アリゾナ」「チューリッヒ」「キョウト」「ボストン」「ロンドン」の5つのモデルについて個別に解説する。
ビルケンシュトックの人気モデル①「アリゾナ」
「アリゾナ」ナチュラルレザー・ブラック1万5400円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)
ボールジョイントと甲を、2対のバックルとストラップのみで固定するシンプルな構造の「アリゾナ」。1973年に登場した、今日のビルケンシュトックを代表するモデルだ。
「幅」や「フットベッドの種類」のみならず、アッパーの素材も多岐に渡り、同社のサンダルの中でも最多のラインナップを有している。
中にはアッパーにコードヴァンで有名な米・ホーウィン社製の牛革を用いたものや、丸洗い可能で水場での使用に最適なオールEVA素材のものもある。
アリゾナは、スニーカーと同サイズか0.5〜1.0小さいサイズが◎
右のアリゾナは26.5(ヨーロッパサイズ41)、左のスニーカーは26.5(US8)
こちらの「アリゾナ」は、
・男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。 ・女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。 ・「ナローフィット」や「ソフトフットベッド」のモデルは、上記のヨーロッパサイズからさらに1サイズ上げる場合もある。 というケースが多いそうだ。
例えば、スニーカーで日本サイズ27.0をジャストで履く人なら、そのまま日本サイズ27.0=ヨーロッパサイズ42、25.0の人なら日本サイズ24.5=ヨーロッパサイズ38でフィットすることが多い。
写真は26.5(ヨーロッパサイズ41)を使用。ソール全長28cm/幅10.5cm(編集部調べ)
「アリゾナは、ビルケンシュトックらしい開放的な構造のサンダル。そのため、
着用時につま先とかかとの双方が露出するので、足長に合っているか否かが判りやすいモデルです。ロングセラーであり続けるのも頷けます」。
例えば、ストラップの一番奥の穴にバックルを通してもボールジョイントや甲が緩い場合、アッパーが革のモデルであれば追加で穴開けする微調整も可能(直営店では無料で対応)。
多様な足に対応できるモデルと言えるだろう。
ビルケンシュトックの人気モデル②「チューリッヒ」
「チューリッヒ」スエードレザー・ミンク1万7600円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)
ボールジョイントと甲を、2対のバックルとストラップで固定するのは「アリゾナ」と同じ。
しかし「チューリッヒ」は、バックルを付けるアッパーやストラップの面積を広げることで、露出をいくらか抑えたモデルだ。
その結果、甲全体をアッパーで覆う構造になるので、束縛感を減らすべくアッパーには、スムースレザーよりソフトなスエードを用いている点も特徴だろう。
チューリッヒは、スニーカーと同サイズか0.5〜1.0小さいサイズが◎
右のチューリッヒは26.5(ヨーロッパサイズ41)、左のスニーカーは26.5(US8)
こちらの「チューリッヒ」は、
・男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。 ・女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。 ・「ナローフィット」や「ソフトフットベッド」のモデルは、上記のヨーロッパサイズから更に1サイズ上げる場合もある。 というケースが多いそうだ。
写真は26.5(ヨーロッパサイズ41)を使用。ソール全長28cm/幅10.3cm(編集部調べ)
「チューリッヒはアリゾナに比べ、甲をしっかり覆う構造です。しかもバックルの追加の穴開けにも限度があるので、足を選ぶ傾向にあります。例えば、
甲が非常に厚かったり、逆に薄い人にはあまりおすすめしていません」。
その一方で、柔らかなスエードのアッパーで甲をより広い面積で覆う分、「喰い込む」感触は軽減するので、足あたりの柔らかさを重視している人には向いたモデルといえるだろう。
ビルケンシュトックの人気モデル③「キョウト」
「キョウト」ヌバック/スエード・トープ2万900円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)
甲をアッパーで覆う「チューリッヒ」の構造を進化させ、2対ではなく1対、着物の襟合わせのように重ねた上下2カ所でベルクロ留めを採用したのがこの「キョウト」。
この上下でのベルクロ留めとしたことでフリーアジャスト性が大幅に向上するとともに、いかにもドイツ製品らしいミニマルなデザインもより前面に出てくるようになった。
キョウトは、スニーカーと同サイズか0.5〜1.0小さいサイズが◎
右のキョウトは26.5(ヨーロッパサイズ41)、左のスニーカーは26.5(US8)
こちらの「キョウト」は、
・男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。 ・女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。 ・「ナローフィット」や「ソフトフットベッド」のモデルは、上記のヨーロッパサイズから更に1サイズ上げる場合もある。 というケースが多いそうだ。
写真は26.5(ヨーロッパサイズ41)を使用。ソール全長28cm/幅10.3cm(編集部調べ)
「2対のバックル留めから上下2カ所でのベルクロ留めに変化させた分、
キョウトはチューリッヒよりも微調整が格段に容易で、かつそれが有効に作用するようになっています。 デザイン的にもシンプルさが際立ち、バックルがない分、ほかの服とのコーディネイトもしやすいからか、特に現代的なオシャレ度が高い方に人気です」。
ビルケンシュトックの人気モデル④「ボストン」
「ボストン」オイルドレザー・ブラック1万9800円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)
甲だけでなく、つま先全体もアッパーで覆う構造の「ボストン」は、サンダルというよりはクロッグと呼ぶべき雰囲気を有する。
今日では、ブランドのアイコンのひとつとなっている。
「アリゾナ」などに比べると、季節にあまり左右されずに履ける点も魅力のひとつかもしれない。
ボストンは、スニーカーと同サイズか0.5〜1.0小さいサイズが◎
右のボストンは26.5(ヨーロッパサイズ41)、左のスニーカーは26.5(US8)
こちらの「ボストン」は、
・男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。 ・女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。 ・「ナローフィット」や「ソフトフットベッド」のモデルは、上記のヨーロッパサイズから更に1サイズ上げる場合もある。 というケースが多いそうだ。
写真は26.5(ヨーロッパサイズ41)を使用。ソール全長28.5cm/幅10.8cm(編集部調べ)
ただし、つま先もアッパーで覆う構造だからこそ、同社のサンダルに比べ、サイズ選びに注意しなくてはいけない人が出てくるとのこと。
まず、
人差し指の先端が足の最も前の位置に来る「ギリシャ型(※)」の足の持ち主。 人差し指の先端が靴の中でアッパーに干渉するケースがあるので、この場合は
目安より1サイズ上げるそうだ。
また、
全体的に太い足の持ち主も、基準より1サイズ上がることが多いそう。甲で足が詰まってしまい、靴の中に上手く収まらないからだ。
(※)対照的に親指の先端が足の最も前に来る足は「エジプト型」と呼ばれる。
ビルケンシュトックの人気モデル⑤「ロンドン」
「ロンドン」オイルドレザー・ハバナ2万3100円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)
「ロンドン」は言わば「ボストン」のかかと回りもアッパーで覆ったバージョンで、サンダルというより一般的な革靴とほぼ同じ構造になる。
とはいえ、原則的にはライニングが付かないので(付いてもウールのシャーリング)、それに比べアッパーの拘束力は少なく、リラックスした履き心地を得られるのが特徴。
なので「コンフォート性は魅力だけど、さすがにサンダルは履く場も限られそうだし、どうもなぁ……」と思っている人に、まずはおすすめのビルケンシュトックと言える。
ロンドンは、スニーカーと同サイズか0.5〜1.0小さいサイズが◎
右のロンドンは26.5(ヨーロッパサイズ41)、左のスニーカーは26.5(US8)
こちらの「ロンドン」は、
・男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。 ・女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。 ・「ナローフィット」のモデルは、上記のヨーロッパサイズから更に1サイズ上げる場合もある。 というケースが多いそうだ。
とはいえ「ロンドン」は、「ボストン」以上にサイズ選びに注意しなくてはいけない人もいるそうだ。
写真は26.5(ヨーロッパサイズ41)を使用。ソール全長28.3cm/幅10.4cm(編集部調べ)
目安より1サイズ上げる必要が出てくるのは、「ギリシャ型」の足の持ち主や全体的に太い足の持ち主だけではないとのこと。
「
かかとが斜めに出っ張っていたり、かかとの一部のみが出っ張った足の持ち主でも、1サイズ上がる傾向があります。かかともアッパーで覆う構造なので、そこでつっかえてしまうため、これは当然といえば当然ですね」。
無二の快適さを味わうのに不可欠な、しっかりしたサイズ選びを!
ということで、ビルケンシュトックの主要モデルのサイズ選びをまとめると、以下のようになる。
【ビルケンシュトックのサイズ選びの目安】
①男性では、足の大きい方にはスニーカーと同じサイズを、25.0~26.0くらいまでの人には(大きめに申告している場合があるため)、申告サイズより0.5~1.0下げてヨーロッパサイズに変換。
②女性では、スニーカーや申告サイズより0.5~1.0上げてヨーロッパサイズに変換。
【上記の目安から変化する要素】
③「ナローフィット」や「ソフトフットベッド」のモデルについては、人によっては上記の①②からヨーロッパサイズを1サイズ上げる場合もある。
④「ボストン」や「ロンドン」のように、つま先やかかとをアッパーで覆うモデルの場合も、人によっては上記の①②からヨーロッパサイズを1サイズ上げる場合もある。
そう、サイズ選びは案外複雑。
あえて正直に言えば、これはビルケンシュトックに限らず海外の靴ブランドすべてに言えることだが、
下手に日本サイズなど考えずに各ブランドのメジャーに従ったほうが、結果として各々のモデルをベストフィットで選べる。 だからこそ、足の測定が重要で、直営店の真の存在意義も実はそこにあるのだ。
「同じものをリピートされるのであればまだいいのですが、少なくともはじめて買うビルケンシュトックは直営店で足を測った上で選んでいただきたいですね。その方が快適性が大きく高まりますので」。
「ブルーフットベッド スポーツ」4180円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック ジャパン 0476-50-2626)
なおビルケンシュトックでは、サンダル以外にも上記の写真のような他ブランドの靴に挿入できる中敷「ブルーフットベッド」を販売している。
最初にも書いたが、この商品の原点は19世紀末にまで遡ることができる、同社の隠れたベストセラー。
接着方式ではないので、使いまわしが効くのも魅力だ。
サイズ感自体は変えることなく、今所有している靴のフィット感を大幅に高めることが可能なので、まずはこの商品でビルケンシュトックの快適性を味わってみるのもおすすめだ。