「H2.0 真空クエンチャー 0.88L」 6700円/スタンレー(ドウシシャ http://jp.stanley1913.com)
1913年、アメリカで誕生した「スタンレー」。真空断熱ボトルの元祖としてあまりにも有名なブランドである。
その新作「H2.0 真空クエンチャー」が、本国アメリカで飛ぶように売れているとの情報を入手。セレブがこぞって愛用し、クエンチャーを持つことがステータスとなり、社会現象にまでなっている。
いったいなぜ? 実物を見て、実際に使ってみたら、その理由がくっきりと浮かび上がってきた。
きっと誰もがチュウチュウしたかった
いきなりチュウチュウと言ったが別に取り乱しているわけじゃない。スタンレーの新作「H2.0 真空クエンチャー」(以下、「クエンチャー」)が、ストロー付きだからそう言ったまでだ。110年の歴史のなかで初のストロー付きである。
これがめっぽう便利なのだ。例えば車の運転時。
「H2.0 真空クエンチャー 0.88L」 6700円/スタンレー(ドウシシャ http://jp.stanley1913.com)
通常我々はハンドルを手にして、前を見て運転している(当たり前だ)。そしてドリンクホルダーに手を伸ばして口に持っていくわけだが……飲み口がキャップやプルタブの場合、それを開けなければ飲めないのである(これも当たり前だ)。
つまり飲む前にワンアクション、飲み終わったあともワンアクション必要。これがちょっとしたストレスなのである。
そして往々にして飲む瞬間に路面のガタを踏み、Tシャツやデニムに粗相してしまうのだ。飲むのは停車時だけ? 賢明な判断のようだが、喉の乾きは待ったなしじゃないか。
ではストロー付きならばどうか。それはもう、運転に集中したまま、何のストレスもなく、速やかに飲める。
デスクワークのときも然り。作業しながらスムーズに水分を補給でき、キーボードにうっかりこぼしてしまう心配も大幅に軽減。
ヨガやジムなどのワークアウトのときも、外遊びのときもそう。ストローが付いているだけで、ぐぐっとセーフティ&アクティブ増しになるというわけだ。
この使い勝手の良さが「クエンチャー」のヒットの最大の理由。加えて我々が感じたのは、ストローが“美味しさ”も生んでいるのではないか、という点である。
アイスコーヒーを例にとろう。ストローで吸い上げ少量を口に含むことで、一瞬冷たさが和らぎ、フレーバーが広がる。飲み込むと香りが鼻に抜け、苦味、酸味、旨味が舌に残る。
フタは「フローステート3ポジションリッド」を採用。ストロー飲み、直飲み、フタとしての3-WAY。
もちろん直接口を付けて飲んでもそれなりにうまいだろう。しかしながらストローを介することで美味しさが十全に引き出されるのではないか、と言いたいのである。好みもあるがスムージーや炭酸飲料なども、ストローを使ったときに感じる美味しさが確かにある。
昨今のサステナブル事情により、コンビニやコーヒーショップでストローが廃止、あるいは紙製ストローへの変更が進んでいる。それはそれで素晴らしいことだ。しかしながら、冷たい飲み物がどこか味気なくなったと感じている人は、結構いるんじゃないだろうか。
ストローでチュウチュウ飲む。それはスムーズな水分補給と同時に、美味しさに対する自然な欲求だったのである。「クエンチャー」が並のヒットに終わらなかったのは、とりもなおさず“ストロー付き”が決め手だったということだ。
2/3