[左]「デイト」 CEO トマッソ・サントーニ [右]「デイト」 デザイナー エミリアーノ・パチ
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デザイナーのエミリアーノ・パチさんも急きょ参加し、ふたりのFUN-TIMEやブランド創設の秘話、そして物作りに対するこだわりについて語ってもらった。
「世界中の人がデイトのスニーカーを履いている光景を見ることが夢です」
「時間が許すなら旅行がしたいです。ただ子供がまだ2歳なのでなかなか難しくて……」。
トマッソのFUN-TIMEは旅であるという。これまで経験した旅行で特に印象に残っているのが南アメリカ。
「数年前にペルーからタヒチやモルディブを巡りながらカリブ海を回って、チリで結婚式を挙げました。サプライズだったので妻も驚いてくれて印象に残っています」。
これに対しエミリアーノが挙げたのはスポーツの時間だ。
「いま住んでいるイタリア・フィレンツェからは、1時間で海にも山にも行けるのでスポーツをするには最高の立地なんです。また、船を所有しているので、これからの時季は海でマリンスポーツに興じつつ、のんびりした時間も過ごしたいです」。
日常の中でのFUN-TIMEとしてトマッソが語ったのは料理の時間。「そんなに上手ではないですが……」と謙遜しつつ、「家族や友達に振る舞うのですが、なかでも牛肉料理が得意です。フィレンツェの人は牛肉が大好きなんです」。
「デイト」 CEO トマッソ・サントーニ●1981年生まれ。イタリア・フィレンツェ出身。マーケティングに特化したビジネススクールを修了したのち、コンサルタントとして活躍。デイトの魅力を最も理解する最高経営責任者。
CEOであるトマッソを中心に、仲間4人でスタートしたシューズブランドのデイト。この日はふたりに加え、プロダクトマネージャーのダミアーノ・イノセンティも駆けつけた。
取材前、3人で無邪気に談笑する姿から仲の良さが垣間見える。ブランドを始めたきっかけについて訊くとトマッソの口からは意外な答えが返ってきた。
「当時、アパレルショップに行っても自分たちのファッションのテイストにマッチするスニーカーや靴がなかったので、じゃあ作ってしまおうというところから始まりました。
あの頃のイタリアのスニーカーのデザインはスポーティなものばかりで、クラブやレストランには入れませんでした。そこでクラシックシューズでなく、クラシックなスタイルに合うエレガントなスニーカーを作ろうと思い至ったのです」。
あちこちから古い機械を拾ってきてガレージに即席の工房を作り、それぞれ本業の仕事が終わると夜な夜な集まって、仲間たちとスニーカー作りに没頭していたという。エミリアーノが述懐する。
「最初は本当に苦労しました。なにせ何もないところからの作業でしたから。当時から、素材はもちろんロゴデザインにいたるまで、ありものではなくすべてゼロから自分たちで作るということにこだわっていました。
問題が起こればその都度みんなで相談をしつつ、必ず向き合ってきました。もちろん揉めることもありましたが、必ずみんなで話し合いをすることで乗り越えてきました」。
本業を投げ打ってスニーカー作り一本に絞ることに不安はなかったのか訊くと、ふたり揃って「まったくなかった」と、意に介さない。
エミリアーノは「不安な気持ちより完成したときのうれしさや、仲間同士でひとつのものを作っているという楽しさのほうが勝っていました。新たなことに挑戦するには、リスクと勇気がないと始められないですから」。
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