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ランドローバー「レンジローバーイヴォーク」(2012年3月〜2019年5月)

ランドローバー レンジローバーイヴォーク。2Lターボを搭載する。3ドアと5ドアは100万円台から狙えるが、「SUVなのにオープンカー」のコンバーチブルはプレミア価格になっている

ランドローバー「レンジローバーイヴォーク」。2Lターボを搭載する。3ドアと5ドアは100万円台から狙えるが、「SUVなのにオープンカー」のコンバーチブルはプレミア価格になっている。


レンジローバーの世界観を、トヨタのカローラクロスなみのサイズ感で楽しめるのがイヴォークだ。しかも5ドアだけでなく、3ドアやコンバーチブルとSUVとしては異例のボディバリエーションが用意された。初代のデビュー当時、新しいレンジローバーの扉を開けたモデルとも言えるほど、今見てもそのスタイルは先進的だ。

しかもスポーティ。ぬかるみを丁寧に走る“レンジ”とは違い、スポーツカーのような大径&扁平タイヤでアスファルトの上を走る方が似合っている。

確かに4WDだし、スタイリッシュな割にロードクリアランスは210mmと本格派にひけを取らぬほど確保されているし、水深500mmまでなら川も渡れる。けれど、“レンジ”の名に恥じぬラグジュアリーな内装や、日本の狭い道でも扱いやすいサイズなど、街中でこそこのイヴォークは輝くのではないだろうか。

デビュー年の2021年式なら180万円あたりから狙うことができる。しかも現行型とデザインがあまり変わっていないのも、初代を中古車で狙いたくなる理由のひとつだ。


アルファロメオ「ジュリエッタ」(2011年11月〜2021年11月)

アルファロメオ ジュリエッタ。1.4Lターボと、1.7Lターボがある。ちなみに1.7Lと記したが、正確には1742cc。戦前のスポーツカー「6C 1750」に由来する

アルファロメオ「ジュリエッタ」。1.4Lターボと、1.7Lターボがある。ちなみに1.7Lと記したが、正確には1742cc。戦前のスポーツカー「6C 1750」に由来する。


買い物や子供の送迎にピッタリな全長約4.3mの5ドアコンパクトハッチバック。VWゴルフを筆頭に、各社が魅力的なモデルを投入しているだけに、あれこれ悩んでしまいがちなカテゴリーだ。そんな中で、最もエレガントでクールな車種のひとつが、アルファロメオのジュリエッタじゃないだろうか。

大きな目とおちょぼ口は、愛嬌はあるけれど野暮ったくない。後席ドアの取っ手が隠れていて3ドアのように見える。インパネはシンプル&クール。いかにも洒落者らしいアルファロメオの、独特な美意識がそこかしこに溢れている。

しかも、VWゴルフやメルセデス・ベンツAクラス、BMW 1シリーズ……と、有名なライバル車と比べて、知名度が今ひとつのジュリエッタはお手頃価格になっている。走行距離5万km未満でもコミコミ100万円で十分狙えてしまう。

確かにコンビニやスーパーへの足としては便利。けれど、たまに気の向くまま走らせると、実に気持ちいい走りが楽しめる。海沿いのワインディングを流していると、「ジュリエッタが日本人にあまり知られていなくてよかった」と思うはずだ。


マセラティ「クアトロポルテ」(2004年5月〜2013年3月)

マセラティクアトロポルテの5代目。フェラーリのイタリア・マラネロ工場で作られた、フェラーリのV8と同型のエンジンを搭載。つまり、厳密にはフェラーリ製ではないが、ほぼフェラーリ製

マセラティ「クアトロポルテ」の5代目。フェラーリのイタリア・マラネロ工場で作られた、フェラーリのV8と同型のエンジンを搭載。つまり、厳密にはフェラーリ製ではないが、“ほぼフェラーリ製”。


クアトロポルテを知っている人は、恐らくあまり多くはないと思う。イタリア語で「4ドア」という車名のこの車は、長らくマセラティのフラッグシップモデルに位置づけられている。 

今回取り上げた5代目は、有名なカロッツェリアのピニンファリーナがデザインしたモデルだ。新車時は約1400万円〜だったが、今や走行距離5万km未満でも2桁万円から狙える。

美しいボディラインもさることながら、ドアを開ければマセラティらしい上質な空間が現れる。車を知らない子供でも、きっと良い車なんだろうなと一瞬で悟るに違いない。

しかもアクセルを踏み込んで4.2L V8のエンジン音を轟かせれば、スポーツカーなみの俊足を披露する。さすがに全長5m超・車重1.9t超で山道をひらりひらりとはいかないが、東京〜大阪間のビジネスエクスプレスとしては心地良いドライビングが楽しめるだろう。

今やマセラティといえばSUVのレヴァンテが有名だが、かつてはフェラーリやアルファロメオと覇を競ったレース界の名門。その熱き血潮を、クーペでもSUVでもなく、あえてラグジュアリーセダンで、しかも100万円台から狙える中古車で楽しむというのはオツな選択と言えるだろう。

籠島康弘=文
※中古価格相場は編集部調べ。

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