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なにがいいって、ドロドロドロ~と聴こえるアメ車独特のV8のエンジン音と、アクセルペダルをわずかに踏み込んだだけでドーンと湧き出てくる猛烈なトルク感がいい。

このクルマがキャニオンランズ国立公園の岩場を走っていくさまを目撃すると、よその星から来た乗り物のようだ。

広大な岩場を駆け抜ける様子は異世界だ(写真:Stellantisジャパン)

広大な岩場を駆け抜ける様子は異世界だ(写真:Stellantisジャパン)


長いストロークをもつサスペンションと組み合わされた20インチホイールと40インチ径のタイヤが自在に動いて、高い階段のような岩場を登っていくさまは圧巻である。

風通しがいいピンクのラングラー

「ジープ・ラングラー・ルビコン4×eコンセプト」は、「このクルマの最大の特徴はピンクの車体色です」とアレン氏が言うとおり、ド派手な車体色が大きく目を引く。

一見すると他のコンセプトと比べてノーマルに近いが……(写真:Stellantisジャパン)

一見すると他のコンセプトと比べてノーマルに近いが……(写真:Stellantisジャパン)


今回のコンセプトモデルの中では、もっともベースになったラングラー・ルビコン4×eに近い仕立て。フロントグリルの意匠はラングラー・ルビコンで新採用となったものだし、17インチホイールは、ルビコンのなかでも特別仕立ての「アメリカン・エクスペディション・ビークル」と同じものだ。

専用装備として、車高を1.5インチから5インチまで3段階で変えられるエアサスペンション、「アキュエア」が組み込んである。これは量産車には(まだ?)用意されていない。ベース車両と同様、低回転域ではモーターの太いトルクが操縦性を高めてくれている。加えて上記のアキュエア・エアサスペンションが、さらに走行性能を高めているそうだ。

私がこのクルマを好きなのは、ラングラー・ルビコンのボディをさらにシンプルにした造型感覚ゆえ。

近くで見るとサイドピラーもサイドウインドウもないことがわかる(写真:Stellantisジャパン)

近くで見るとサイドピラーもサイドウインドウもないことがわかる(写真:Stellantisジャパン)


サイドピラーもサイドウインドウもなく、ドアはいわゆる“ハーフドア”と呼ばれるもの。ルーフもすべてを一度に取り外せる。なので、やたらと風通しがいい。しかも、そのスタイルがカッコいい。

「ジープにピンクなんてまったく似合わないという意見がありました。でも2021年にタスカデロという車体色を設定したら、たいへん好評だったんです」とアレン氏。なんと、3万台近いオーダーが入ったそうだ。

固定観念を捨てて、大胆なことをするところからヒットが生まれる。それが証明されたので、今回はこの紫のような色(マゼンタとアレン氏は表現)が採用された。


4/5

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