「ジープ・グラディエーター・ルビコン・サイドバーン・コンセプト」は、その名のとおりラングラーのシャシーを使ったピックアップ「グラディエーター」がベース。アメリカではよく見かける、独特のカッコよさをもったクルマだ。日本でも販売されるが、全長5.6mとちょっとしたリムジン並みにデカい。
車体後部を延ばし、ピックアップとしたグラディエーターがベース(写真:Stellantisジャパン)
このコンセプトモデルは、ボディ後半部に特徴をもつ。ツヤ消し黒の部分はカーボンファイバーとスチールで作られた荷台で、カヤックだろうが自転車だろうが積み込める機能を強調している。
大人2人で座っていられるバンパーベンチが、ユニークな装備。「山の上まで登って、そこに2人で座ってコーヒー飲んだりしたらロマンチックでしょう」とは、ジープの女性社員の弁。これは納得だ。
このコンセプトモデルでは2台をマットブラックとして強調している(写真:Stellantisジャパン)
実はもう1つ、グラディエーター・ルビコン・サイドバーン・コンセプトには魅力がある。それは、動力性能だ。3.6リッターV6エンジンは、トルクもあるし、回転マナーもいい。加速したいと思ったときにアクセルペダルをぱっと踏み込むと、すかさず加速してくれる。
1940年代からの伝統、「オープンエアフィーリング」
「ジープ・ラングラー・ルビコン4×eデパーチャー・コンセプト」も、やはりラングラー・ルビコン4×eをベースに開発されたコンセプトモデルだ。
グリルガードがベンチになるアイデアが採用されている(筆者撮影)
特徴は、ジープをはじめとするステランティス(クライスラーやアルファロメオ、プジョー、シトロエン等をもつグループ)の車両むけに、アフターマーケットでパーツを提供するモーパーのデザイナーたちがかかわっていること。
「オープンエアフィーリング」とジープのデザイナーが言う、スカスカと表現したくなるボディがユニークだ。パイプで構成したチューブドアを採用し、ガラスはウインドシールドだけ。
ルーフ部もパイプフレームのみで構成される(筆者撮影)
そのウインドシールドは、ジープの“伝統”にしたがって可倒式である。フルオープンのデザインは、ジープのヘリテージとして1940年代から今に至るまで、受け継がれているのだ。
チューブのモチーフが活かされているのは、グリルガードも同様。「サイドバーン・コンセプト」と同様、下ヒンジをもち、開くとグリルベンチになる。前後にこのベンチをもつのもユニークだ。
5/5