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そんなファッションと映画の関係に革命を起こしたといえるのがラルフ・ローレンだった。

1973年、すでに高級百貨店ブルーミングデールズ内に同店初のデザイナー単独ブティックを構えるなど、デザイナーとして米国内では名が知られていたローレンは、新作映画『華麗なるギャッツビー』の衣装デザイナーであるセオニ・V.アルドリッジより、ロバート・レッドフォード演じる主人公ジェイ・ギャッツビーを含むすべての男性用衣装の制作を依頼され、これを快諾。

メンズファッションの黄金期である1920~30年代のエスタブリッシュメントのスタイルを手本としていたローレンの服は、1922年が舞台の同作品にはうってつけだったのだ。特筆なのは、レッドフォードが着た特別に仕立てたピンクのリネンスーツ以外、すべて最新コレクションの服をほぼそのまま用いたことだ。

当然ながら、観客は1973年の感性で映画を観る。ゆえに衣装が果たす役割も、風変わりに見えるであろう1920年代の服をリアルに再現することではなく、いま観て格好いいと感じさせ、憧れを抱かせることではないか。そう考えたローレンは、古き良きスタイルを現代的にアレンジした自身のコレクションを、確信をもってそのまま用いたのだ。

そしてその読みは見事に的中し、同作品はアカデミー衣装デザイン賞を受賞。アメリカ発のメンズブランド「ラルフ ローレン」の名も映画の大ヒットと共に世界へ知れ渡り、劇中の服を求めて店頭へ人々が殺到したのである。
 
こうしたラルフ・ローレンの成功は、以降ハリウッドとファッションブランドにとっての雛形となり、ファッションデザイナーやブランドが映画衣装を担当することが増えるきっかけとなった。そして現代的な感性によってデザインされ、実際に買うこともできる衣装は、より観客が憧れやすい存在となったのだ。

1977年の映画『アニー・ホール』では、主演のダイアン・キートンが私物だったラルフ ローレンのメンズ用ジャケットとシャツ、ネクタイを着用。そのスタイルは“アニー・ホール・ルック”と呼ばれ、当時女性の間で大流行した。同作品はラルフ・ローレンが衣装を担当したわけではなかったが、ファッションと映画をつなぐエポックメイキングのひとつとなった。

『ロッキー』シリーズの主人公、ロッキー・バルボアのライバルだったアポロ・クリード。『クリード』はその遺志を継いでプロボクサーとなった息子アドニス・クリードの闘いを描く。第三作目の『クリード 過去の逆襲』は、大成したクリードの前に刑務所から出所した幼馴染ダミアンが現れることから始まる。彼はクリードが周囲に隠している過去の過ちにより、昔年の恨みを抱えた宿敵へと変貌していたのだ。2023年5月26日(金)より全国公開。

『ロッキー』シリーズの主人公、ロッキー・バルボアのライバルだったアポロ・クリード。『クリード』はその遺志を継いでプロボクサーとなった息子アドニス・クリードの闘いを描く。第三作目の『クリード 過去の逆襲』は、大成したクリードの前に刑務所から出所した幼馴染ダミアンが現れることから始まる。彼はクリードが周囲に隠している過去の過ちにより、昔年の恨みを抱えた宿敵へと変貌していたのだ。2023年5月26日(金)より全国公開。



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