OCEANS

SHARE

②『ブルーロック』全23巻、計4467ページ
予想読了時間=約18時間37分

『ブルーロック』原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介、週刊少年マガジン(講談社) コミック版で計算。

『ブルーロック』原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介、週刊少年マガジン(講談社) コミック版で計算。


『キャプテン翼』に憧れたオーシャンズ世代に伝えたい、今もっとも人気と勢いのあるサッカー漫画が『ブルーロック』だ。

非凡なサッカーの才能をもった主人公・潔世一は、県大会決勝で「個(シュート)」より「チーム(パス)」を尊重する判断をして、試合に破れる。全国への夢を絶たれ、深い後悔を抱えた彼のもとに、ある招待状が届く。

それは、世界一のストライカーを養成するために300人の高校生たちが、サッカー選手としての“生き残り”をかけて戦う、過酷なトライアウトの舞台「ブルーロック ~青い監獄~」への招待だった。

数々の試練を突破して、潔は世界一のストライカーにのぼり詰めることができるのか……。

そして主人公としのぎを削る、キャラが立ちまくりのライバルたちの存在も魅力だ。個性的な性格や特殊技能、客観的なパラメータ表記などを交えたキャラクター分けが非常に秀逸。

きっと、読むごとにお気に入りキャラクターができ、その成長に没頭することだろう。



この作品が目を見張る点は、これまでのスポーツ漫画のセオリーだった友情や仲間の存在を真っ向から否定する尖ったメッセージ性にある。

ブルーロック主催者の絵心甚八の言葉は辛辣だが興味深い。

「お前らに訊く。サッカーとは何だ……? サッカーってのは相手より多く点を取るスポーツだ。点を取った人間が一番偉いんだよ。仲良し絆ごっこしたいなら帰れ。(中略)

革命的なストライカーたちはみな稀代の“エゴイスト”だ。世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」。

作中では、現実の日本サッカー界が抱える構造的問題点を公然と批判し、実在の選手名を挙げて「そいつらってW杯優勝してなくない?」と否定するなど、「こんなこと言っていいのか?」とドキッとさせられる場面も目立つ。

こういった刺激的な描写は、しばしばSNSで炎上しているのだが、それもまた興味をそそられる魅力のひとつ。ある意味、作者の覚悟と日本サッカーへの希望の表れとも取ることができる。

『ブルーロック』が放つ刺激的なメッセージは、組織や信頼関係の中を生きる大人たちにこそ深く強く響く福音となるかもしれない。

現在はアニメ第2期と『劇場版ブルーロック -EPIOSODE 凪-』の公開準備も進んでいるという。


3/7

次の記事を読み込んでいます。