⑤『満州アヘンスクワッド』全12巻、計2224ページ
予想読了時間=約9時間16分
『満州アヘンスクワッド』原作:門馬司 漫画:鹿子、ヤングマガジン(講談社)
もしあなたが、史実にまつわる読み応えたっぷりな極上のクライムサスペンスをお探しなら『満州アヘンスクワッド』はきっとご期待に沿えるはず。
舞台は昭和12年の満州国。
元は関東軍人だったが、不運により軍を追われた主人公・日方勇は、最愛の家族を救うため、裏組織「青幇(チンパン)」首領の娘、「麗華(リーファ)」と手を組んで、アヘンの製造して金を稼ぐことを決意する。
植物や薬学に詳しい勇がつくる「真阿片(シンアヘン)」は、流通品の何倍もの純度を誇る悪魔的な発明であり、たちまち顧客を増やしていくことになる。
しかし、麻薬市場を牛耳る関東軍や青幇が、そのことを黙っているはずもなく……。
元は虫も殺せないほど気弱な青年だった勇が、関東軍や犯罪シンジケートを相手に権謀術数を駆使した三つ巴の戦いを繰り広げていくストーリー展開は、まさにスリルと興奮の連続だ。
日本の傀儡国家であった「満洲国」を舞台に、実在した人物や史実を織り交ぜながら展開されるストーリーからは、歴史好きにはたまらない演出や、当時の情勢を知る学びの楽しさも堪能できるはずだ。
巨大な富と破滅をもたらす“禁断の麻薬” 「アヘン」ビジネスと、それで成り上がる男の姿を描いた特濃の犯罪サスペンスにズブズブっと没入してみよう。
6/7