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④『マイホームヒーロー』全20巻、計3832ページ
予想読了時間=約15時間58分

『マイホームヒーロー』著:朝基まさし 原作:山川直輝、ヤングマガジン(講談社) コミック版で計算。

『マイホームヒーロー』原作:山川直輝 漫画:朝基まさし、ヤングマガジン(講談社) コミック版で計算。


子供を守るために「ちょっとやり過ぎたなぁ、言い過ぎたなぁ」なんて経験は、きっとオーシャンズ世代によくあることだろう。

でも可愛いからって、子供のためだからって、“殺人”までは犯さないはず。

しかし、この『マイホームヒーロー』の主人公・鳥栖哲雄は、愛娘を守るために人を殺めてしまったのだ。

サラリーマンの哲雄は、妻と娘の3人家族。会社では人望が厚く、生まれて47年間なんの罪も犯さず、家族を養うために生活してきた。趣味といえば、推理小説を書くことくらい。

そんな平凡な彼が「娘を守る」ために、決死の覚悟でやってしまったのが「殺人」だ。



大学生の一人娘、 零花が交際中の彼氏からDV被害を受けているのではと心配した哲雄は、独自に調べを進めるうち、偶然にも娘の部屋で彼氏とニアミスしてしまう。

そこで明らかになったのは、彼氏である延人が半グレ組織に属し、以前、交際相手を殺したことがある程の危険人物であるということ。そのうえ、妻の実家の財産を狙って娘を利用しようと企んでいるという驚愕の事実だった。

それを知った哲雄は、家族を守りたい一心で、咄嗟に延人を撲殺してしまう。そこから展開する「平凡サラリーマン vs 半グレ集団」という異色の構図。

半グレから追われる身となった哲雄だが、趣味の推理小説で得た豊富な知識を使って犯罪を隠蔽し、ギリギリのところで半グレ組織からも、警察からも捕まらないという、ハラハラドキドキのストーリー展開が繰り広げられる。

交錯する両者の思惑はどんな結末を迎えるのか……。高度な心理線やギリギリの駆け引きの連続で、常に張り詰めた緊張感を堪能できる。

『マイホームヒーロー』は、現在『ヤングマガジン』で連載中だが、2017年の発売当初から話題を呼んでいたわけではない。言うなれば内容の面白さと評価が比例していなかった作品だ。

しかし、実力(面白さ)は本物であり、近年どんどん人気が上昇。この春からアニメもスタートした。まさに今から読み始めても全然遅くはないホットな漫画の代名詞だ。


5/7

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