⑥『九条の大罪』全8巻=計1436ページ
予想読了時間=約5時間59分
『九条の大罪』真鍋昌平著、ビッグコミックスピリッツ(小学館) コミック版で計算。
ご存知、『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平氏による新作『九条の大罪』。
半グレやヤクザ・前科者からの厄介な案件ばかりを引き受ける主人公の弁護士・九条間人の姿を描く法律ノアールフィクション作品だ。
ストーリーを通して、常に突きつけられるテーマは「法とモラルそれぞれのあり方」。
その狭間で読み手は常に葛藤し、物語のなかへ引き摺り込まれていくことになる。
足かけ5年をかけて関係者への取材を重ね練り上げられた物語は、善悪や正誤では片付けられない現実社会の本質を、真鍋節たっぷりで生々しく描き出している。その評判は、実際の弁護士がこぞって絶賛するほど。
クライアントのため、時に非情な行動をとることもある九条だが、彼の言葉は常にひとつの真実を捉えており、読むだけで多くの教訓が得られる。
何より、読んでいて感じる心のヒリつき、読み終わって感じる後味の悪さ、だけどすぐ次が読みたくなる不思議な魅力など、『闇金ウシジマくん』から継承される「ドキュメンタリーよりリアルなフィクション」の魅力を存分に堪能できる。
物語は、数話で読み切りの短編集形式で構成されているため、何巻から入っても楽しむことができる。ただ、1冊読んだら必ず他の巻も欲しくなっちゃうので、ここはオトナしくオトナ買いでいきましょう。
7/7