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出汁古着③ 「ブラックダイヤモンドのジップアップジャケット」

「ブラックダイヤモンド」は、「シュイナード・イクイップメント」から派生したブランドとして名高い。こちらは’90年代に登場したジャケットだ。

「ブラックダイヤモンド」は、「シュイナード・イクイップメント」から派生したブランドとして名高い。こちらは’90年代に登場したジャケットだ。


水上さんは、クライマーのためのハイレベルなギアブランドとして知られる「ブラックダイヤモンド」のジャケットも発見。

「無駄を削ぎ落としたデザインと、グレーとブラックという2トーンに惹かれます。これは街で普通に着れますね」(水上さん)。

派手色が多い当時のアウトドアウェアの中にあって、都会的でシンプルなデザイン。出汁使いしやすい古着の条件でもある。

水上さんが談笑するのは、「オン ザ ヒル」店長の井上宏太郎さん。プライベートでもよく酒を飲みにいく仲だという。

水上さんが談笑するのは、「オン ザ ヒル」店長の井上宏太郎さん。プライベートでもよく酒を飲みにいく仲だという。


ちなみに店長の井上宏太郎さんとはもう長い付き合い。服やアウトドア、談義で盛り上がることもしばしば。

井上さんは、’80〜’90年代の古着事情に精通しているが、「希少性や市場価値だけでセレクトすることはしない」のがモットーだ。

井上さんが着ているパーカも’90年代の古着で、「ラストチャンス」のもの。有刺鉄線のロゴが目を引く。

井上さんが着ているパーカも’90年代の古着で、「ラストチャンス」のもの。有刺鉄線のロゴが目を引く。


状態のいい古着は価格が高騰しているけれど、井上さん曰く「当時の洋服の魅力はそれだけではない」という。

「’90年代は特に、トレンドの本線とは少しズレたところに面白味があって、それをバンドマンやスケーターが上手に取り入れていました。洗練はされていなかったけど、それが格好良かったんですよ」(井上さん)。

こちらは、スケートボードのウィールブランド「スピットファイアー」のパーカ。

こちらは、スケートボードのウィールブランド「スピットファイアー」のパーカ。


アメリカでも日本でも、’90年代にサーフシーンやスケートパーク、ライヴハウスなどで目にしたスタイル。

「オン ザ ヒル」のセレクションは、それを思い出させてくれる。



「いつも自分のクローゼットにストックしたくなるアイテムばかりに出会うから、つい長居してしまうんですよね」という水上さん。

自らのルーツを思い起こさせてくれる「オン ザ ヒル」は、水上さんにとって出汁古着が詰まった理想のお店のようだ。

鈴木泰之=写真 長谷川茂雄=取材・文

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