▶︎すべての写真を見る 「ケイジュクコーヒー(KEIJUKU COFFEE)」をご存じだろうか。秋田県・湯沢発のスペシャルティコーヒーのブランドで、購入できるのは秋田の数店舗とオンラインのみ。
こだわり抜いた製法、そして“体がアガる”とも言われるテイストから、1袋(150g)約2000円という高価格帯にも関わらず、全国からリピートが絶えないという。
人気の秘密を仕掛け人である高橋文柄さんに聞いた。
高橋文柄●アパレルのセレクトショップの運営のほか、EC事業などを手掛ける株式会社理趣社長。2020年よりスペシャルティコーヒーブランド「ケイジュクコーヒー」をスタート。
ケイジュクコーヒー誕生秘話
ケイジュクコーヒーがローンチしたのは2020年。元を辿ると東日本大震災がきっかけだったという。
「3.11の震災を機にこのままで良いのかと、いろいろなモノを削ぎ落としたくなって断食にチャレンジしました。当時は一日一食食べるかどうかくらい。そうしたら食べ物と体の関係性がすごくわかるようになっていったんです」。
その後、とある人のアドバイスをきっかけに、食べ物が敏感にわかる体を逆手にとって、食の事業へと乗り出したのだという。
「最初は米、昆布、プルーン、パン……と食品の研究をはじめたのですが、事業化となると予算もものすごくかかることがわかり、2018年頃から自然食の食堂を開きました。数年で閉じちゃいましたけど」。
食堂をはじめた頃からコーヒーを出し、当時から研究・開発を続けていたというが、そのヒントとなったのは抗酸化と香りだ。
「僕は医者ではないけど、基本的に抗酸化性が高いものは体が“アガる”、逆に酸化しているものはサガると体感してきました。自然本来の香りが残っているものは体がアガるのです」。
新鮮なものほど体に良い、というのは誰しもわかる感覚だろう。そしてコーヒー豆は抗酸化性が高い食品だ。
「本来、生豆は酸化しにくいけど、焙煎すると抗酸化性が落ちてしまう。自然の恵みである香りと抗酸化性を維持できるものを開発したいと思い、秋田県総合食品研究センターの先生と手を組んで『ケイジュクコーヒー』が生まれたのです」。
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