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2023.04.27

今再びの日産「GT-R」。2024年モデルは「死ぬまでに一度は乗りたい車」かも

2007年10月のデビュー以来、常に進化し続けている日産GT-R

2007年10月のデビュー以来、常に進化し続けている日産「GT-R」。


例えば、80代からプログラミングをはじめて、「最高齢のアプリ開発者」とAppleのティム・クックCEOから賞賛された女性のように、「ここからまだ進化するの!?」と驚かされる人や物がある。

車で言えば、日産「GT-R」がそれだ。

GT-Rとしてのデビューから16年目、御先祖にあたる「スカイラインGT-R」は1969年に誕生という、車としては異例の長寿モデル日産GT-R。

来年登場する2024年モデルでさらに未踏の地を目指す。

【写真8点】「一度は乗りたいの新型日産GT-R」の写真をチェック

GT-Rはまだまだ、進化を諦めない

従来型と比べ2014年モデルはフロントグリルの開口部が小さくなった

従来型と比べ2024年モデルはフロントグリルの開口部が小さくなった。


2017年モデルの時点で既に最高出力570psに達したGT-Rは、いたずらに数値の向上を狙うのではなく、誰も見たことのない「究極のドライビングプレジャー」を具現化するために邁進し続けている。

「300km/hで走りながら、助手席の人との会話を楽しめる」というデビュー以来の哲学を貫くために、風との戯れ方を工夫してきたGT-R。

2024年モデルではレースで培ってきたテクノロジーを惜しみなく投入したとする。

GT-Rとして初めてリアウイングの形状や位置が変更された

GT-Rとして初めて変更されたリアウイング。


具体的には、GT-Rとして初めてリアウイング形状を変更し、さらにセットする位置を従来型に比べて後方に移動させた。一方で、フロントバンパーは全面的に改良され、空気の流れをスムーズにして、余計な空気抵抗を減らしている。

このようにして効果的なダウンフォースを発生させ、タイヤの力を余すことなく地面に伝えるとともに、エンジンやトランスミッション、ブレーキなどを効果的に冷却させることに成功した。

GT-Rの最速モデル、GT-R NISMOはオリジナルのフロントバンパーを装備

GT-Rの最速モデル、「GT-R NISMO」はオリジナルのフロントバンパーを装備。


また、国の新たな騒音規制に対応する新構造マフラーは、緻密な調律によって、心を揺さぶられるような新しいGT-Rサウンドを奏でてくれる。

さらに最近のGT-Rはバリエーションも豊富だ。2022年モデルで初めて設定された「プレミアムエディションT-spec」は、サスペンションが専用セッティングされ、グランドツアラーらしく上質でしなやかな乗り心地ながら、レースカーのごとく思い通りに曲がれる楽しさを備えている。
 GT-R NISMOのリアウイングは標準車より少し高い位置に

GT-R NISMOのリアウイングは標準車より少し高い位置に。


一方、GT-R NISMOは、日産のモータースポーツを担っているNISMOがこれまでに培ってきたレーシング技術を贅沢にフィードバック。

2014年モデルから設定されるようになったGT-Rの中でも最速モデルのNISMOは、2024年モデルでは標準モデルのリアウイングの位置を、600psにまで高められたNISMOのパフォーマンスに合わせて最適化。また4輪の緻密な制御技術によってコーナリング性能も向上させている。

プレミアムエディションT-specのインテリア

プレミアムエディションT-specのインテリア。


だいたい、匠と呼ばれる職人がひとり一基ずつ手作業で組み上げるエンジンを載せるほど、こだわりのカタマリだ。「これでOK!」という到達ラインはGT-Rには存在しないのだろう。

「もっと先へ! 見たことのない世界へ!」と止まることなく進もうとするGT-R。もちろん、伸ばせるポテンシャルがあるからこそそれが可能なのは間違いないが、最後は「伸ばしてやる!」という情熱なんだろうなという、尋常ならざる努力が2024年モデルにも感じられる。

バスケだけじゃなく、日産GT-Rでも、諦めたらそこで試合終了、ってことだ。


史上最強かつ最後のGT-R

史上最強かつ、おそらく最後のGT-R。


車業界が100年に一度の大変革期を迎えている中、恐らくこれが最後の内燃機関オンリーのGT-Rになりそうだ。

最新の電気自動車もいいけれど、100年以上の歴史を持つ内燃機関の最終形とも言えそうな、歴史と想いが生んだGT-Rが積む3.8Lツインターボエンジンは、ガソリンだけでなく情熱も燃やしているのだろう。

新型GT-Rは、アクセルを踏むことに高揚を覚えたことがある人なら「死ぬまでに一度はそのステアリングを握ってみたい」、そんな車だ。

籠島康弘=文

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