▶︎すべての写真を見る 日本人で初めて標高8000mを超える14座すべてに登頂した竹内洋岳さん。ネパールへは1991年から通い、足掛け30年、計50回近く旅をした「ネパール通」でもある。
1回目のサハール釣り、2回目のホナチャに続き、今回は初心者にもオススメできる「山だけではないネパール」の魅力を聞いた。
▶︎「幻の魚・サハールを釣って食べた話」編▶︎「古都・パタンでのホナチャは“新橋ガード下”」編 竹内洋岳●プロ登山家、立正大学客員教授。2012年にダウラギリに登頂し、日本人で初めて8000m峰14座完全登頂を達成。2013年文部科学大臣顕彰 スポーツ功労者顕彰、植村直己冒険賞、秩父宮記念山岳賞を受賞。著書も多数。
標高差8800m。ネパールは動物の宝庫だった
竹内さんがネパールを訪れたなかで最も高いところは、世界最高峰エベレストの頂。標高8848mと圧倒的スケールを誇るが、それとは対照的に標高50mという低地もある。
その見どころとしておすすめしたいのが亜熱帯気候のタライ平原にあるチトワン国立公園。エベレストとの差はおよそ8800mだ。
「それが、ネパールの面白いところなんですよ。民族や言語、文化が多様であるだけでなく、標高差もすごい。自然環境も景色もまったく異なりますね」。
広大な大自然が広がるチトワン国立公園には、さまざまな野生動物が生息している。
「チトワンでは野生の動物を観察することができるのですが、その種類も豊富。象の背中に乗ってジャングルを巡れるし、カヌーサファリでは視線を落とした位置からワニが日向ぼっこをしている姿を見れます。
ほかにも絶滅危惧種に指定されている一角サイを近くで見ましたが、格好良かったですね。
ちなみに、ネパールのお札にはすべて動物が描かれているんですが、サイは最もポピュラーなお札である100ルピーに印刷されています」。
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