ついに姿を見せた神の魚
ついに一匹も釣れないまま最終日に。残された時間はわずか。この日も早朝からボートに乗り込んだ。
湖の東端の隅々へとボートが向かい、何度も釣り竿を振った。手応えはなく、そのままボートは南東側の岸をなめるように進んでいった。
「これで最後にしますね」と竹内さん。
そして最後に決めた釣り場は、ホテルからほど近い小さな入り江。そこでひと振りした。すると今までとはまったく異なる大きな手ごたえを得たことが、周囲にも伝わってきた。
さて……サハールなのだろうか? 同乗のみんながざわめきはじめるなか、竹内さんは慎重にリールを巻き始めた。
ガイドのラル・タマンさんが横でネットを用意して立ち上がるが、「ばらしてはいけない」と竹内さんは制する。
そして、ついにサハールを釣り上げた!
最後の最後で釣れた、竹内さん喜びのショット。
釣り上げたばかりのサハールは体長約60cm、まさにピンクがかった黄金色に輝く。けれど、ホテルに着く頃には紺鼠がかった銀色だった。その変わりようもまた美しい。
これがサハールの金のウロコだ。
3/3