「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……▶︎すべての写真を見る ランニングを始めてからアップルウォッチを使うようになり、この「ウルトラ」は3台目。ケースサイズは今までの最大だった45mmに比べて49mmと大きく、軽量なチタン製というところがとても気に入っています。
アップルウォッチはアップデートとともにどんどんコンパクト化されていくのだろうと思っていたら、かなり武骨で腕時計らしい印象になったことに好感が持てますね。
僕の場合、最新家電を選ぶときでもどのくらいローテク感を残しているかを重視するのですが、「ウルトラ」は見た目もサイズも着け心地も、腕時計をしているという気分にさせてくれます。
超高機能なのにあまりそう見えないシンプルなルックスは、僕がゴアテックスを使って服を作るとき、いかに高機能素材に見えないようデザインするかというアプローチにも似ていて共感します。
「アップルウォッチ ウルトラ」耐水性能、防塵性能を備え、血中酸素ウェルネスアプリや心電図アプリ、心拍数通知、皮膚温センサーなども搭載。ベルトはアルパインループ、トレイルループ、オーシャンバンドの3種。チタンケース、縦49×横44mm。12万4800円/アップル www.apple.com/jp
しかし、腕時計と言いつつ、実は時間を確認するためにはあまり使っていないかも。走るときに便利と思って買ったものの、使い始めたらこんな機能もある、あんな機能もあるという驚きの連続で、もう普通のアナログ時計に戻れない気さえしています。
ワークアウトをサポートするのはもちろん、睡眠記録が取れるし、心電図、血中酸素レベルなども測れます。電話もメールもできて、電車に乗るときや買い物をするときは手首をかざせば決済可能。
この間タクシーにiPhoneを忘れたのですが、アップルウォッチがすぐに見つけ出してくれました。山登りやダイビングをする人なら、さらに便利な使い方がありそうです。
それでも腕時計にこだわりがある人からすれば「でもスマートウォッチでしょ?」という偏見があるかもしれませんが、そういう人に僕は言いたい、「使ってみれば価値がわかるよ」と。
アップルウォッチは、もはや腕時計とかファッションアイテムといった既成のカテゴリーを超越して、生活用品として確固たる地位を築いているんです。
見た目のデザインもかなりハイレベルになってきていますが、機能自体もユーザービリティを考慮し上手にデザインされていると思います。合理性を追求した正真正銘のプロフェッショナルウォッチ、ぜひ一度味わってほしいですね。
[藤井隆行 プロフィール]東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「オーシャンズ4月号の発売ころ、パリに行ってきました。新しい試みを企んでいるのでぜひご期待ください!」。
「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは…… 世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
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