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2023.04.01

ライフ

ゴルフの腕前はプロ級。イノベーション執行役員・大塚友広さんが語る“趣味時間”の価値

株式会社イノベーション 執行役員 大塚友広

株式会社イノベーション 執行役員 大塚友広

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株式会社イノベーションで執行役員を務める超一流のビジネスパーソンでありつつ、ゴルフの腕前はプロ級という大塚友広さん。

そんな大塚さんにとってFUN-TIMEは、ビジネスにもつながる大事な時間だった。

ゴルフこそ人生における最高のFUN-TIME!

「調子がいいときは、100ヤード以内の距離なら1ヤード単位で調整して打てましたね」。

白い歯を見せながら、大塚は涼しい表情で語る。ゴルフ経験者であれば、それがいかに無謀なことか耳を疑うだろう。
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教えを乞おうとゴルファーたちが押し寄せてきそうな話であり、一方で非現実的すぎてどこかウサンくささすら漂う。でも大塚が言ったとなれば話は別。大塚は単なるゴルフ好きではない。

オンラインメディア事業やITソリューション事業などを展開する企業、イノベーションにて執行役員を務めるビジネスパーソンでありながら、ゴルフはプロ級の腕前。さらにHow to本を3冊も出版するほどの実力を備えているのだ。

 「12年ほど前、地元である群馬の富岡製紙場の世界遺産プロジェクトを手掛けていて、その際にゴルフの練習場へ行ったのがきっかけで始めました。

特に遊びに行くような場所もない田舎町なのですが、200球1000円、250ヤードくらいの広い練習場があったのでなんとなく行ったんです」。

それ以前からゴルフに興味は持っていたというが、ドハマりした結果、本を出版してしまう人はそういない。

何が大塚をここまで惹きつけたのか訊くと、返ってきたのはひと言、「難しかったから」。

 「レスリングをやっていた小学生時代には日本代表クラスの実力があって運動には自信があったこともあり、最初は舐めていたといいますか、一般的にうまいといわれるスコア100を切ることなんて余裕だと思っていました。

でもいざやってみたら全然ダメで、初めてのラウンドは126(笑)。屈辱でしかなかったです。それからは週2で練習場に通って、土日どちらか一日は必ずコースを回るという生活になりました。

その後練習を重ねるうちに、調子のいいときは、短い距離なら目を瞑っていても打てるくらいになりました(笑)。ゴルフはプライベートのみならず、人生をFUNにしてくれる自分にとって不可欠なものです」。
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毎朝、散歩後に飲むコーヒータイムも至福のひととき



一度ハマったらとことんやらないと気が済まないという大塚が、今最も夢中になっているのがコーヒー。ゴルフと同じく、人生のFUN-TIMEを彩るには不可欠なもの。

 「もともと好きだったことに加え、コロナ禍で家時間が増えて興味を持ったのと、Web記事で豆の特徴が鮮明に出やすい、浅煎りコーヒーの存在を知ってからのめり込みました。

とりあえず最初は市販の豆を片っ端から飲んで、何がいちばん美味しいのか、美味しくなる要素は何なのか、豆と相性のいい豆挽きのマシンはどれかなどひたすら分析しました。
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今はライト アップ コーヒーという店の豆に夢中です。毎朝、散歩のあとに飲むコーヒータイムも、僕にとっては至福のひとときです」。

ゴルフやコーヒー以外にも15歳〜20代前半はスノーボードなど、大塚は自分なりに「FUN」を見つけ、とことん夢中になる。

そこまで趣味に情熱をかけるのはなぜなのか訊くと「なんでも追い求め続けると新しい景色が見えるから」。

 「ゴルフが上達することやコーヒーを美味しく淹れることは、ビジネスとめちゃくちゃつながっています。ゴルフであればどこを強化すればスコアが良くなるのかを自分なりに分析し、答えを出してから練習します。

要素を分析することは、最も重要な一点を炙り出すこと。どこがキモなのかを追求し、一点に集中していくと成功体験が得られ、その先の景色が見えてくるんです。そうなるともっと前に進みたくなる。

特に僕の場合、プライベートの時間が仕事に直結することが多いので、そういう意味では仕事とプライベートの境目が曖昧なのかもしれません」。

ポジティブマインドな大塚だが、過去に大きな壁にぶつかって、立てなくなりそうになったこともある。大なり小なり、社会に出れば誰もが一度は経験する挫折だ。

 「20代中盤に起業しましたがうまくいかず、かなり落ち込んでいました。ただ富岡製糸場の世界遺産プロジェクトに観光マネージャーとして参画したことで改めて仕事の楽しさを知り、いろんなことが噛み合うようになったんです。

そのときから仕事をするうえで心がけていることが、自分のスタイルを貫くということ。

僕は“昭和の親分”でいたいと思ってまして、世界遺産プロジェクトのときも先頭に立って『富岡市民5万人、全員俺が幸せにする! 』と言い放っていたほどで(笑)。おかしな人だと思われていたと思いますが、それも自分のスタイルのひとつだと思いやり続けました。

ビジネスパーソンは往々にして型にはまりたがりますが、自分を貫くほうがうまくいくという成功体験をつくるといいと思います。自分を信じて好きにやったらいい。そうなれば仕事ももっと楽しくなるでしょうね」。

会社でのインタビューを終えると「皆さんをお連れしたいところがあるんです」と語り、連れて行ってくれたのが、東京・渋谷駅から程近い昭和レトロな雰囲気が漂うカラオケスナック。

コロナ禍が落ち着き出し外食も増えたことで、新たな楽しみを見つけたという。

 「フラッと友人の経営するスナックに飲みに行くのも、僕の大事なFUN-TIMEのひとつ。老若男女を問わず、さまざまな国籍の人たちが訪れるのですが、そこで触れる空気や出会った人との会話は、普段の生活からは得られないものばかりで、とても刺激になっています。

日によっては、楽しみすぎて朝までなんてことも珍しくないんです(笑)」。

別れ際に、「そうそう、今度みんなでここに集まって飲みましょうよ!」と、大塚は撮影スタッフに声をかけて回る。

満席になった店内で、グラスを片手に笑顔で酒を振る舞いつつ、自らも率先して豪快にあおる。誰よりもその場の雰囲気をとことん楽しんでいる、そんな大塚親分の姿が目に浮かんだ。
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