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あえて大定番の“5ポケ”を避けて通るワケ

「デニムといえばボトムスよりもトップス」という西野さんだが、当然、デニムのパンツをはかないわけではない。特に愛用しているという2本のボトムスには、パンツブランドを手掛ける男ならではのこだわりが詰まっていた。

ニートのデニムチノ。

ニートのデニムスラックス。


「個人的に、5ポケットのデニムは自分のブランドでは絶対に作らないようにしているんです。それはもうリーバイスがほぼ完成形だと思っているので。5ポケットをもしやるのであれば、とんでもないアプローチで作るぐらいじゃないと、僕がやる意味はないのかなって」。

そこで西野さんは、ニートの定番品であるチノパンをデニムで作ろうと考えた。

「チノパンはブランドの中では最もカジュアルなラインなんですけど、ベースはスラックスで、アメリカンシーアイランドコットンを使い、かなりブリーチしています。生地はめちゃくちゃいいし、形はスラックスなのに見え方は’90年代のチープな色落ちデニム、っていうところが肝ですね」。

もう一本は、古着の中でもとりわけ珍しいリーバイスのそれ。



「定番の“5ポケ”ではなく、このリーバイスは“4ポケ”のタック入り。しかも、イタリア製です。ちょいちょいイタリア製を見かけることはありましたが、このタイプは初めて。仲間たちと開催したフリーマーケットで購入しました」。

ポケットの作りもかなり特徴的で、しかもツーインタックと、ニートのアイテムに通じるところもある。ネームもさほどお目にかかれないデザインで、当然ながら「手放したくない一本」だとう。

「デニムは永遠のテーマ」と語る西野さん。彼のワードローブの主軸を担うデニムは、根っからの古着好きらしい稀少性の高い名品が揃っている。

古着熱が再燃している今、彼の目線を参考にデニムを探してみるのも面白いかもしれない。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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