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「知らないと怖いカラダのサイン」とは…… 幼少期にはなかったはずの粒が大きいホクロ。
「初めはほんの小さな“点”としてあらわれたホクロが、実は深刻な皮膚がんとして発見されることがあります。ただのホクロと侮らず、正しく見分けることが重要です」と話すのは皮膚科専門医の野田真史先生だ。
話を聞いたのはこの人! 野田真史●皮膚科専門医、池袋駅前のだ皮膚科院長。東京大学医学部を卒業後、同大学の皮膚科に入局。米国留学時にはニューヨーク州医師免許も取得。メディア出演歴多数。
30歳をすぎたホクロの変化に要注意
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――ホクロの数が年々増えているのが不安です。 ホクロは年を経るごとに数が増えるため、何ら不自然なことではありません。
紫外線の影響で増えることがあると言われていますし、ホクロの多い少ないは遺伝の影響も大きいです。
――大きくなったり盛り上がってきたホクロがあるんですが、これはどうでしょう? 昔からあるホクロがそのように変化することも、決して珍しいことではありません。まれに1cmを超えるほど成長した、大きなホクロを持つ方もいますよね。生まれつきや幼少期からあるホクロであれば心配する必要はないでしょう。
――となると、大人になってできたホクロが変化するのは危険でしょうか? 30歳を超えてできたホクロやシミが急に大きくなったり、その部分が盛り上がってくるといった変化があった場合は「
メラノーマ(悪性黒色腫)」の可能性があります。
メラノーマが疑わしい4つの特徴
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――メラノーマとは、どういう病気でしょうか? メラノーマは、非常に悪性のある皮膚がんです。メラニンをつくる色素細胞ががん化し、メラニン色素を無制限に増やし続けます。メラニン色素の産生の程度によって、まるでホクロのような黒く濃い色のものから、シミと見間違えるような茶色く薄い色のものまでさまざまです。
――自分でホクロやシミと、メラノーマを見分けることは難しいですか? メラノーマには、一般的なホクロやシミでは見られない4つの特徴があります。大人になってホクロができ、それが1年以内に目に見えた変化があり、さらに以下の特徴が見られた場合には早急に正しい診断を受けてください。
・形が左右非対称である。
・端がギザギザしており、通常の皮膚との境目が鮮明な部分と不鮮明な部分がある。
・黒褐色が多いが色調にムラがあり、青、赤、白などの色調が混ざっている。
・長径が6mmを超えている。
――大きさだけでなく、色や形にも特徴があるんですね。 これらのほかに、数カ月経つと盛り上がるように表面が膨らんできて、身に覚えのない出血が何度も起こったり、ホクロがえぐれたような状態になる場合もあります。
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