足元はイタリア靴らしい上品さに適度な武骨さを加えた佇まい。上下フリースというリラックススタイルがグッと洗練されて見える。機能的な「ポーラテック」と味のあるスエードとのコントラストが洒脱だ。ブーツ25万800円/ノンネイティブ×アンダーカバー×グイディ、ジャケット6万4680円/ノンネイティブ×アンダーカバー、パンツ4万1580円/ノンネイティブ×アンダーカバー×グラミチ(すべてベンダー 03-6452-3072)
▶︎すべての写真を見る 数多くの傑作フットウェアを手掛けてきたノンネイティブのデザイナー藤井隆行さんは、当然シューズの機能とデザインの重要性を誰よりもよく知っている。
そんな彼の平時の、さらには海外出張時の定番がグイディのブーツだ。一見コンフォートとは無縁そうだが、実はそうではない。
「アウトドアシューズでよく言われるけれど、本当に足にフィットする靴だと、重さがあってもストレスがないんです。グイディもやっぱりそうで、全然疲れないし雨が降っても大丈夫。
去年、久しぶりにパリとロンドンへ行ったときにも、もちろん履いてました」。
同じくグイディ愛用者の高橋盾さんが手掛けるアンダーカバーとノンネイティブの共作コレクション「OZISM」仕様の一足。コーラのようなブラウンと、通常よりも厚めに積層させたラグソールが特徴のバックジップモデル。25万800円/ノンネイティブ×アンダーカバー×グイディ(ベンダー 03-6452-3072)
ノンネイティブでは
2019年に初めてコラボレーションをしてから、既に6モデルをリリース。藤井さんがグイディを推す最大の要因が、先述の履き心地の要にもなっているアッパーのデザインだ。
「履いたとき、甲部分に浮き出る独特のシワが昔から好きでした。これを一枚革で表現しているのも面白いうえに、ソックスのようなフィット感を生んでいる技術力にも感心します」。
100年以上続く革製品の老舗を母体に持つだけに、レザ—の品質の高さは言わずもがな。驚くことに同社のブーツは革の段階ではなく、製品になってから染色されるのが常なのだという。
それによって平面的だった革に立体感を表現し、この唯一無二の風合いが出来上がる。
ところで、藤井さんはスニーカーでもブーツでも、基本はハイカットしか履かないという。「パンツと靴が、一体化してほしい」というのがその理由。足首にフィットするグイディの履き口は、藤井さん自身の理想を追求した裾幅が狭いノンネイティブのパンツにもすんなり収まる。当然、足元だけが浮いて見えることもない。
「若い頃はこれ見よがしなスニーカーをよく履いていたけれど、年を重ねるにつれて目立つ靴が嫌になりました。
ノンネイティブでも実践しているように、過度に主張しない、上質でミニマルなコーディネイトが今の好み。そんな僕の装いにも自然に溶け込むひとつの正解がグイディだったんです。
トレンドだけでなく、スタイルに馴染む、という視点でブーツを選ぶのもいいのではないでしょうか」。
ノンネイティブ デザイナー 藤井隆行さん●武蔵野美術大学を中退後、ショップスタッフを経て2001年よりノンネイティブに参加。現在はデザイナーとしてニューバランスやヴァンズ、アシックスなど、さまざまなコラボシューズ企画を成功させている。