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デニム選びに欠かせない「自分のルーツ」とは

今回、前者のデニムに合わせたのはテック系のブルゾンだ。
 

「最近はテック系にデニムを合わせながらモードっぽい雰囲気に仕上げることが多いですね。アウターにはジャージーを羽織っています。

ヨーロッパのフーリガン的アプローチの資料ばっかり見ているのですが、向こうの人たちのデニムのはき方ってカッコいいんですよ」。




 
「特にUKのフーリガン。あとは東ヨーロッパにもカッコいいデニムのはき方してる人がいて、ローカルの人たちは自国のテックブランドをよく合わせていたりします。よく参考にしてますね」。

デニム愛そのものに変化はないという水上さんだが、昔と今とでは単純に着方が変わってきたようだ。



「今はもう『デニムにTシャツ1枚』みたいなスタイルはしないですね。むしろ、モードな着こなしに使ったり、ビッグコートを着たりしながらAラインを作ってダラしなく見えないように着たり。もちろん、いつかまたこの趣向も変わるんでしょうけどね」。

この日、足元にはティンバーランドの定番「イエローブーツ」をチョイスした。



「ティンバーランドも自分のルーツ的なアイテムです。’90年代のHIPHOPやスケートカルチャーを通ってきた人間なので。やっぱり小さい頃に見てきたものは、少なからず自分の中に残ります。そこはずっと大事にしたいですね。

最近は自分に似合う・似合わないという視点で考えつつ、自分のルーツをもう一度探っていくようなイメージがあります。だからこそ、デニムも再び手に取ったのかもしれませんね」。

水上さんは「デニムを1本も所有しない人生、なんていうのは死ぬまで来ないでしょうね」と話しつつ、「でも、レギュラーシルエットのはき方にもいつも迷っています(笑)」と難しい一面があることも認める。

「ただ、その難しさがすごく面白いんですよ」。

やめられない、とまらない。そんなノンストップのデニム愛にシンパシーを抱く大人は少なくないはずだ。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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