特集「プロご指名の本命デニム」とは…… 「ロンハーマンにとって、“デニム”は特別な存在です」。
オーセンティックなアイテムで着る人の個性やファッションを引き立てたい。そんなロンハーマンのマインドは、RHC ロンハーマンのバイヤーである江口大輔さんも当然のごとく共有している。
「自分が納得したものしか身に着けたくないですね(笑)」。そう話す彼が日常手に取るデニムとは。
江口大輔●4年のアシスタント期間を経て2年前にRHCロンハーマンのメンズバイヤーに就任。ロンハーマンデニムの製作にも携わる。1年の半分をデニムで過ごす生粋のデニムラバー。
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最近では、デニムコーデがシンプル化してきているという江口さんだが、それでもやはりデニムへの情熱は今も昔も一貫して変わらないという。
「小学4年生ぐらいの頃、親戚のお姉さんに、当時流行っていたファッションや髪型、アクセサリーなどを教わりました。初めて古着店に連れて行ってくれたのも彼女で、そこで初めて本物のデニムと出合ったんです」。
以降も20代半ばまで古着中心のファッションカルチャーに浸かり、なかでもリーバイスのデニムは今なお彼のワードローブの中核をなしている。
「中学時代、みんながディッキーズを腰ばきしているなかで、僕だけはデニムをはいていました(笑)。501にカウチンニットがお決まりのスタイルで、昔も今もリーバイスの501と505が特に好きですね」。
昔からとにかくデニムが身近な存在だったという江口さん。ゆえに「デニムは気張ってはくものではない」という認識も強いようだ。
「デニムは僕にとって最高の日常着。20年ほどサーフィンをしていますが、デニムはサーフィンと同じくらい自分のライフスタイルになくてはならないものなんですよね。だからこそ、わざわざカッコつけてはくものじゃないというか(笑)」。
自分の理想をカタチにできる喜び
デニムは好きだが、決してマニアックに深堀りするわけではない。あくまでも目線はフラットで、選び方も完全に色とサイズ感と雰囲気を重視する。
とはいえ、理想の一本と出合う機会はそうそうない。こちらのデニムは、そんなジレンマをぶつけたようなジーンズで、江口さんも製作に携わっている。
「頭の中に思い描く理想のデニムを目指して作ったのが、このRHCデニムです。奇をてらったこともしなければ、小細工もなし。
デニムはあくまでスタンダードなものだからこそ、これほど浸透してきたわけなので、そのスタンスは崩したくありません。ゆくゆくは、このRHCデニムがニュースタンダードになればいいなと思っています」。
完成までには膨大な時間を割き、多くの工場へと足を運んだ。
「岡山県の児島にある工場はもう回れるだけ回りました。たくさんの生地サンプルも拝見しましたし、作りの工程もつぶさに観察し、いろいろとお願いもしました。色落ちの加工は、それこそ何度やり直してもらったかわからないくらいです(笑)」。
「あの年代のあのディテールを再現しよう!……ということはせず、ひたすら『はいたときのカッコよさ』のみを重視しました。ウエストもレングスも日本人の体型で計算し、買ってすぐでもすんなり馴染む、そんなフォルムにしています。
僕は昔からデニムが好きで、とにかくずっとはいてきました。そして今は、自分の思い描く理想のデニムを発信する立場になりました。このデニムに、ひとりでも多くの人が共感してくれたらうれしいですね」。
信頼のおけるファクトリーで一本一本、手作業で加工を加えた渾身のコレクション。しかも今季からはオーガニックコットンを採用し、さらなるアップデートも図っている。
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