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当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら。 コロナ禍を経て、生涯テレワークで良いと感じた人は少なくないだろう。
朝はやく起きて、満員電車に揺られながら出社する必要もなければ、浮いた通勤時間をより有意義に、自由に使うことができる。
「テレワーカー:ICT(情報通信技術)を活用し、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方をする人」という言葉は、コロナ禍を経てより身近な存在となってきている。では今年、よりテレワーク、リモートワークしたいと考える場合、どんなことに留意したらいいのか。
テレワーク導入企業「半数超え」、産業別は?
実際にテレワークを導入する企業も、緊急事態宣言による外出自粛要請などの影響で、ここ3年で大きく増加した。
新型コロナウイルス感染拡大前の2019年9月時点で、テレワークを導入している企業は全体の20.2%にすぎなかったのに対し、2022年9月においてテレワークを導入している企業の割合は51.9%と、半数を超える結果となった。
総務省 令和3年通信利用動向調査の結果より
このように、コロナ禍を経て企業でのテレワークの導入が飛躍的に進んだが、産業別に見てみるとどうだろうか。
多くの産業で導入割合は伸びてはいるものの、特に「情報通信業」(97.7%)や「金融・保険業」(82.4%)、「不動産業」(75.1%)などの職種の割合が高い。
一方で、「サービス業・その他」(41.6%)や「運輸・郵便業」(27.6%)など、実際に現場に足を運ぶことを避けがたいこれらの職種では、テレワークの導入は比較的進んでいない。
総務省 令和3年通信利用動向調査の結果より
企業によりテレワークの導入率に大きな差が生じてしまっているのは事実だが、日本においてテレワークの仕事は着々と広がっている。
リモートワーク≠高収入?
では、完全にリモートワークの仕事につきたいと思ったときには、どのように行動すれば良いのだろうか。
まず着目したいのは、リモートワークの収入面だ。
同じ職種であっても、企業によってはリモートワークを行う社員の賃金は低くなる可能性がある。
たとえばアメリカの大企業Googleは、リモートワークを行う社員を対象に勤務地ごとにどれぐらいの賃金を得られるか計算する、新たな賃金計算ツールの運用を開始した。
オフィスから遠い地域への転居を決めたGoogle従業員は、大幅な賃金カットに直面する可能性があるという。
サンフランシスコを離れて、カリフォルニア州の高級リゾート地であるレイクタホに引っ越した従業員は、25%という大幅な賃下げの対象になるとロイターは指摘している。
しかし、リモートワークを考えるときに、基本給だけで判断するのは危険だ。
リモートワークを始めると、以下のような点でお金が節約できる。
・通勤にかかる費用 ガソリン代、タクシー代、公共交通機関の利用料など、オフィスへの交通費は長い目で見ると大きな出費。
・仕事用の服 ZOOM会議用のシャツは時折必要になるかもしれないが、毎日スーツをきて出社することと比べると確実に低コストだ。
・ベビーシッター代や介護ヘルパー代など 在宅で仕事をしていると、家にいながら空いた時間で子供やお年寄り、ペットの世話をできる余裕が生まれるかもしれない。
・食費 自宅で自炊すれば、テイクアウトよりも健康的なだけでなく、かなり経済的でもある。
このようにあげ始めるとキリがないが、これらの利点は、リモートワークの収入面でのデメリットを上回る可能性がある。
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コロナ禍において身近な存在となったリモートワーク。
完全にリモートで働きたいと思った時には、上記の利点を踏まえて総合的に判断してほしい。