渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
▶︎すべての写真を見る 駅前の喧騒から少し離れ、恵比寿の路地裏で出会った絶品のヴィーガンフルーツサンド。この「フルーツアンドシーズン」の代表である芳賀大佑さんを訪ねた。
渡辺 ここのヴィーガンフルーツサンドを人に贈ると、本当に好評で。最近よく寄らせてもらってるんです。
芳賀 ありがとうございます。
渡辺 店はいつからあるんですか?
芳賀 2021年の1月です。中目黒にあるダイワってわかりますか?
渡辺 同じフルーツサンドの有名店ですよね?
芳賀 はい。僕はもともとヘイガンオーガニックコーヒーというブランドもやっていて、ダイワに焙煎したコーヒー豆を卸していたんです。
渡辺 それじゃ、最初はコーヒーの焙煎がキャリアのスタートですか?
芳賀 はい。それまでも、いろいろと飲食業には携わっていました。僕がやっているコーヒーはオーガニックですが、JAS認証とか、日本でのオーガニックの立ち位置って、あまり本質的な部分が広がっていない気がして。そこで、ヴィーガンにも通ずるものがあると思い、この店を始めたんです。
渡辺 何となくヴィーガンっぽい、みたいなものが多いですよね。雰囲気や見た目が重視になっているというか。
芳賀 ですよね。それで、ダイワのフルーツサンドの美味しさも知っていたので、それとは違う自分だけの世界観のフルーツサンドをやりたいなって。ダイワの社長とそのご家族にフルーツを使わせてもらえないか相談をして、快く引き受けてくれたんです。
渡辺 始まりも何だか純粋で、オーガニックの精神にも通じる。インスタを拝見させていただきましたが、どれも写真が可愛くて、僕みたいのが行っていいのかなって(笑)。
芳賀 ヴィーガンというキーワードは、ファッション的に見えるかもしれないですけど、実は動物性原料を使わず、植物性のクリームを使うことでフルーツ本来の甘味や酸味がいっそう引き立つんです。
渡辺 実際すごく美味しいですよね。僕はヴィーガンじゃないけど、差し入れをするとみんな「これどこで買えるの?」って聞かれる。
芳賀 うれしいお言葉ですね。だから、本当は「ヴィーガンです!」と主張しなくてもいいくらいで。キャッチーな要素で固めてるようで、生の食品を最大限に活かせることを考えました。
渡辺 それでいて、見た目も繊細にまとめていてすごいなぁ。フルーツサンドって、どこか懐かしさがありつつ、アップデートされている感じが素敵。今日も息子たちに買って行こうかな。
——女性、子供ウケも抜群の見栄えと、大人が頷く“中身の詰まった”フルーツサンド。恵比寿に行く理由が、またひとつ増えそうだ。