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斬新と奇抜のせめぎ合い。その果ての表現力

デニムの合わせもまた種市さんならでは。そのヌケ方は連載「種カジのタネあかし」の読者ならすでにご存知のはず。ただ、それがえらくイケているのだ。



「連載開始当初は、スウェットパンツをはいたり、スラックスにビーサンを合わせたり、セレクトショップでもあまりしていないことを自分なりに表現してきました。それをオーシャンズさんが面白いと取り上げてくれてて、読者の方からもすごく反響をいただいて……本当にありがたいことです。

当時はメディアも含め、リラックス感がさほど受け入れられず、ちゃんとした服の着方ばかりが指南されていた気がします。ただ、いろんな意味でのちょっとした面白さを、みなさんは求めているのかなと感じましたよね」。

そう語る種市さんは、今回も自分らしいデニムの着こなし方を披露してくれた。

 

「このダウンベストはダイワ ピア39のものだけど、一般的な業界人は、ダイワ ピア39とデンハムというキャラが異なるモノ同士をあまり合わせないと思うんです。でも、僕はそんなお洒落なのかどうなのか、そのギリギリのところを攻めたいんですよ。

もちろん、そのラインばかり追求するのも怖いんですけどね。何でもアリになっちゃうと、趣味の悪い人みたいに見えてしまいますから。そのギリギリのラインが難しくもあり、面白くもあるんですけどね」。





ギリギリのラインを楽しむうえでヘビロテしているのが、このデンハムってワケだ。

「世界的なプレミアムデニムブランドですけど、他のデニムメーカーと違って、いろんなことやるじゃないですか。マウンテンリサーチとコラボしたりね。その自由度や面白さが好きで、つい手に取ってしまうんでしょうね」。

我道を往く種市さんならではの思考法。その理論は我々にとって非常に参考になり、また新たな“気づき”をもたらしてくれる。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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