独自のクリエイティブを生み出す方法
5時に起床し、瞑想後にランニングをして入浴。ストレッチ後にギターの練習をしてから読書。これが毎朝のルーティン。「このルーティンだとカラダの調子がいいんです」と自分磨きに余念がない。
ヨットで世界一周する夢の実現は遠そうだが「絶対に実現させます」と断言する。
「地球の中にはきれいで美しい場所がたくさんあるじゃないですか。何を見るのかも大事ですが、どう見るかということもすごく大事だと思うんです。飛行機でぱっと行ってきれいなもの見るのと、ヨットで死ぬほどつらい思いをしながらようやくたどりついて見るのとでは感動の大きさが違うと思うんです」。
飛行機や船で回れば時短にもなり、より多くの目的地にたどりつける。いじわるを承知で質問をぶつけるも塩出はまったく意に介さない。
「道中で何を感じるか、経験するかが大事と言いますか。その感じたことを踏まえて目的を達成すると、さらに感動が大きなものになるじゃないですか。先ほどお話しした、父とふたりで沖縄に行ったときは、トカラ列島で天然のイルカが20頭くらいついてきました。そういうハプニングは飛行機では絶対に起きない。
僕にとって仕事は、いかにクリエイティブでオリジナルなことができるかというところが大事。自分にしか考えられないような独創的なビジョンを描いて、いろんな面白い仲間とそこに向かってチャレンジすることにすごく魅力を感じます。
そのためには自分が他の人とは違うことを経験しないといけなくて、そうなると、時には大変な思いをしてでも経験しないといけないなと思うんです」。
理想の男性像は、大好きだという漫画「ワンピース」のキャラクター。
「シャンクスです。主人公・ルフィの命の恩人であり、ルフィが海賊を目指すきっかけになった憧れの人。ルフィの身代わりになって片腕を失ってしまうのですが、すごく人情味があって寛大で、何より器が大きいんです。いつか僕もそんな男性になれたらいいなと思います」。
冒険の旅に出るとき、みんな最初はひとりぼっちだった。でも、どんな苦難が待ち受けようと自らが先頭に立って行動に起こすうちに徐々に仲間が増え、大きな船団に成長する。海賊王たちの姿と、社内に上下関係をつくらず“仲間”として接する塩出の姿とどこか重なる。
そんな塩出の夢は海賊王ではなく、先述のとおり“ヨットで世界一周をすること”だが、これには続きがある。
「世界をヨットで回るときにいろんな国の人と一緒に歌が唄えたら楽しいだろうなって思っているんです。だから世界中で誰でも知っている10曲を、楽譜も歌詞も見ないで弾けるようになるべく毎朝アコースティックギターの練習をしています。ちなみにザ・ビートルズの『レット・イット・ビー』はマスターしました(笑)」。
チャレンジしたいことは山ほどあり、仕事の原動力は好奇心。今はただあるがままに、流れに身をゆだねながら、塩出の冒険の旅は続く。もちろん、海図はない。
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