「990v6」のスペックを深掘り!
南井 今回の990v6は、前作からかなり大きなスペック変更が加えられているようですが?
小澤 まずは
ミッドソール素材の変更です。ランナーから高い評価をいただいている、反発弾性に優れた「フューエルセル(FuelCell)」という素材を990シリーズとしては初採用しました。
南井 フューエルセルを使っているのは、ミッドソールの白い部分ですか?
アスリート向けのレースシューズにも使われる「フューエルセル」。
小澤 そうです。グレーの部分はENCAP構造で、着地安定性を高めてくれます。
南井 個人的には、990v5で採用されていた履き口の合成樹脂パーツが無くなったのも大きな変化だと思います。このパーツの採用は賛否両論がありましたよね?
990v5(左)と990v6(右)を比較。合成樹脂パーツがなくなったことでスッキリした印象に。
小澤 リリース当初は確かに好き嫌いがありました。でも、これによって踵周囲のフィット感が大きくアップしているので、徐々にネガティブな意見も少なくなりました。
990v6では、人工皮革の補強パーツの配置を工夫することで、この合成樹脂パーツを使わなくても、優れたフィットを確保できています。中足部のサドルと呼ばれるパーツも同シリーズを象徴するディテールだったのですが、今回はそれも無くしたことで軽量化に貢献していると思います。
南井 アウトソールのデザインもかなり変化がありますね。
小澤 このシリーズはあくまでランニングシューズとして開発されており、「しっかり走ることができる」を前提に開発されています。今回のアウトソールパターンは、よりスムーズな蹴り出しをはじめとした走行性能を高めるべくデザインしていると思います。
その時代の最高の機能性を有したパーツを結集することで、走行性能に優れたトップレベルのランニングシューズとして開発されてきた。
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