▶︎すべての画像を見る カクテルカルチャーは戦いでもある!?
世界有数の都市を巻き込む世界最大級のカクテルコンペティションイベントをレポート！
世界最大級のバーテンダーコンペティション＆フェスティバル「ワールド クラス 2022」
カクテル探求のため夜な夜なBAT巡りを続けたオーシャンズ取材班。そこで出会ったバーテンダーたちの所作と技術に酔いしれ、しだいに彼らのなかでいちばんスゴいやつを知りたくなった。
リサーチをしたところ、タイミング良く取材真っただ中の9月中旬、世界最大級のバーテンダーコンペティション＆フェスティバル「ワールド クラス 2022」が豪州シドニーで開催される情報をキャッチ。
この大会に出場し脚光を浴びれば、世界で活躍できるバーテンダーのパスポートを手にしたことを意味するらしい。ためらいなく一路南半球の大陸へ向かった。
「ワールド クラス」とはディアジオ社が主催する、年に一度、選定された都市やエリアで開かれる大規模カクテルイベント。
カクテルメイクのクリエイティビティとともに、バーテンダーのホスピタリティを競い今年の「ワールド クラス」王者を決めるコンペティションがハイライトとなる。
2022年度は世界の50の国と地域から多数のバーテンダーがノミネート。日本では去る5月に日本大会を開催。本戦出場となったのは、九州・宮崎市の繁華街“ニシタチエリア”の「ワイン＆バー 麦家」のバーテンダー緒方 唯さんだった。
さて、冬を終えながらもまだ軽めのアウターが必要な気候だった9月中旬の豪州シドニーで４日間にわたって開催された「ワールド クラス2022」。フォーシーズンズホテル シドニー内に、いくつものステージとポップアップバー、ＤＪブースなどで徹底的にショーアップされた会場でコンペティションは行われる。
また、会場外に足を向ければ「カクテル フェスティバル」と題して街の名物BARやレストランとコラボレートして、一般の人々も参加可能なドリンク＆フードイベントがいくつもプログラムされているのも面白さ。
例えば、シドニーの名所ハーバーブリッジのたもとにフードトラックを並べてプレミアムテキーラ、ドンフリオを使ったカクテルを飲みながらタコスを楽しむ企画や「THE WORLD'S 50 BEST BAR'S」の2022年度でランクインした超実力店「MAYBE SAMMY」にゲリラバーテンダーが登場するシークレットカクテルイベントなど、街を巻き込んだお祭りムードと楽しさしか、そこにはなかった。
いよいよコンペティションの決勝戦を迎える最終日。来年の開催地がブラジル・サンパウロとなることがアナウンスされ、2022年のバーテンダー・オブ・ザ・イヤーの栄冠がノルウェー代表、エイドリアン・ミヒャルシック氏の頭上に輝きクライマックスを迎えた。
超満員の会場の中、出場者50名から選ばれた10名のファイナリストがしのぎを削る光景はアスリートの美しい個人演技のようで見る者に感動と不思議な興奮を与えてくれた。
一流のバーテンダーとは鍛錬を重ね心・技・体を備えた超人的才能の持ち主なのだ。そして「ワールド クラス」とは、そうした人々に光を当てることでカクテルカルチャーを盛り上げる壮大な仕掛けなのだ。
そして、我々が今晩楽しむ一杯を豊潤なものにしてくれるベースにもなってくれるのだろう。
2/2
