そんなこんなで、高校を卒業後は沼津の脱毛サロンに就職した。その経緯も面白い。
「高3の終わり頃に近所の脱毛サロンに通い始めたんですが、担当の女性スタッフがすごく明るくて話も上手で美意識も高くて大好きだったんです。行けば話が盛り上がるし、毎回楽しみだなと思っていたら、『入社しない?』と誘われました」。
自分の頑張りが店舗の売り上げにつながるという責任感を初めて感じたという。親世代の客から人生相談を受けることもあった。
脱毛サロンの営業時間後に誕生日を祝ってもらったときの写真。
その脱毛サロンに高校の同級生がたまたま来店する。それほど親しい子ではなかったが、話す回数が増えるごとに意気投合。「沼津で輸入車のディーラーで働いているんだけど、人が足りなくてショウルームレディになってくれない?」と誘われて転職を決意する。
フォルクスワーゲンとアウディを専門に扱うディーラーだった。
「5年間働きました。ショウルームレディといっても、車検とかの点検情報を整備士さんから聞いてお客様に伝える仕事なんです。当時はフォルクスワーゲンはトランクを開ける取っ手がエンブレムなのがかっこよかったですね」。
中学時代の友人がフォルクスワーゲンのビートルを試乗に来たときの写真。
そのディーラーでは、毎年、各店舗の社員が集まる社員旅行があった。行き先はチームごとに異なるが、志帆さんの印象に残っているのは修善寺ツアー。
「自社が扱うフォルクスワーゲンの車を使ってレースをするんですが、競うのはタイムと燃費。さらに、私たちのチームは小田原城で武士のコスプレをするというミッションがありました」。
社員旅行を同僚たちと一緒に楽しむ志帆さん。
これらの職を経て「Oh my teeth」に転職。推薦人にご登場いただきます。COOの山本大地さんです。
御社の看板娘、いかがですか。
「志帆さんは表参道店のストアリーダーでもありますが、全店舗のストアリーダーも束ねてもらっています。業務内容やサービスに対する理解が早いし、無茶振りしてもちゃんと応えてくれるんです。他のストアリーダーは『いっぱいいっぱいです』と言うミッションも彼女は『余裕です』という感じですね」。
「Oh my teeth」は2019年に創業。きっかけは代表自身が歯医者が苦手だったということ。金額が最終的にいくらかかるのか不明瞭、予約して行ったのに待たされる、カードも使えないという実体験から起業した。
売りは明確な料金設定と通院不要ということ。ドクターが診断し、レントゲン写真で歯型のスキャンデータを取って、矯正のゴールを3Dの動画で作る。
そこからマウスピースの製造を行い、自宅にキットが届く。来訪は基本的に最低1回のみだ。
ここでドクターが診断する。
キットが届いたあとは、LINEやオンラインなどで写真をやりとりしながらドクターが調整する。写真を撮るアプリも独自で開発した。
レントゲンブース。
創業以来、ユーザーは1万人を突破した。矯正期間は最短3カ月から6カ月だ。
自宅に届く矯正キット。
輸入車ディーラー時代には、外から帰って来た営業担当者に「志帆さんちゃんがいると疲れが吹っ飛ぶ。なんか安心するんだよね」と言われたこともある。取材中も、同じ感想を抱いた。
最後に沼津トークに戻ります。お気に入りグルメは家でよく作るという富士宮焼きそば。
「こだわりは蒸し麺の焼き方です。お水を少しずつ足しながら焼くんですが、お水の量がかなり重要。固すぎても柔らかすぎても美味しくないので。最後に、ダシ粉、青のり、七味をかけて食べるのが最高です」。
最高の富士宮焼きそば。
では、読者へのメッセージをお願いします。
最近までワイヤー矯正をしていたからこそ、実感がこもる。
[取材協力]Oh my teethwww.oh-my-teeth.com