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2022.12.17

ファッション

「レイニング チャンプ」ディレクターに聞いた“いいスウェット”の条件。素材、デザインのポイントは?

CYCデザインコーポレーション代表/レイニング チャンプ ディレクター クレイグ・アトキンソンさん●1966年、カナダ生まれ。ʼ97年にアパレル会社を父・義兄とともに立ち上げ、OEM事業を開始。2004年に自身のブランドであるウイングス アンド ホーンズ、ʼ07年よりアスレチックウェアブランド、レイニング チャンプをスタート。

CYCデザインコーポレーション代表/レイニング チャンプ ディレクター クレイグ・アトキンソンさん●1966年、カナダ生まれ。ʼ97年にアパレル会社を父・義兄とともに立ち上げ、OEM事業を開始。2004年に自身のブランドであるウイングス アンド ホーンズ、ʼ07年よりアスレチックウェアブランド、レイニング チャンプをスタート。

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オーシャンズ読者の日常着代表であるスウェット。

あらゆるブランドが多種多様なアイテムを展開し、今や無数の選択肢があるなか、エバーグリーン(長く着られる)視点で「いいスウェットの条件とは何か」という質問を「レイニング チャンプ」ディレクターのクレイグ・アトキンソンさんに投げかけてみた。

 

スウェット3万3000円、パンツ4万9500円/ともにeye ジュンヤ ワタナベ マン × レイニング チャンプ(レイニング チャンプ 03-3401-1811)


「例えば、オーガニックコットンは地球に優しいと信じられていますが、モノによってはレギュラーコットン製よりも耐用年数が短い。

はたしてそれは本当に地球にとってベターなのか。いったいどちらが持続可能なのか。まだまだ研究段階なのです」。

「多くのクリエイターと同じように私もジュンヤ ワタナベの大ファンですし、『ドーバー ストリート マーケット ギンザ』で彼のコレクションを見ると、アートショーを見に行ったような感覚になる。3年以上にわたりコラボレーションしていますが、我々のボディをどうアレンジするのかいつも楽しみ。比類なき創造性も、長く愛せる服の条件のひとつです」。

「多くのクリエイターと同じように私もジュンヤ ワタナベの大ファンですし、『ドーバー ストリート マーケット ギンザ』で彼のコレクションを見ると、アートショーを見に行ったような感覚になる。3年以上にわたりコラボレーションしていますが、我々のボディをどうアレンジするのかいつも楽しみ。比類なき創造性も、長く愛せる服の条件のひとつです」。


答えなき難題に対し「我々が今できることはふたつ」と現時点での解答を教えてくれた。

「ひとつはとにかく高品質な服を作ること。素材のクオリティと職人による丁寧な縫製技術が融合すれば、必ずや長く着られる服になります。そしてもうひとつは“デザインのアプローチ”を変えること。



当社では今、スウェットシャツ一着を作る際に、約1.5mの生地が必要ですが、カットされて実際に使われるのは1.2mほど。つまり、0.3mは廃棄されている。

多くのデザイナーはこの現実から目を背けていますが、我々はそれを可能な限りゼロ・ウェイストに近づけ、ほぼすべての生地を無駄なく使い切る方法を模索中。



これが完成すれば製品としても、地球環境にとってもベターチョイスと、自信を持って言えそうですね」とクレイグさんは将来の展望を話す。

品質に裏打ちされた言葉には確かな説得力がある。

作木正之介=写真 来田拓也=スタイリング 増山直樹、早渕智之=文

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