異なる価値観を受容する象徴としての共作
10万7800円/アディダス × グッチ(グッチ ジャパン 0120-99-2177)
7年前のメンズ・コレクションで発表した、真っ赤なシフォンのリボン付きブラウス以降、クリエイティブ ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレはジェンダーの既成概念を揺さぶり、『社会の中のファッション』を表現し続けている先駆的存在だと思っています。
話題になったアディダスとのコラボレーションについて、ミケーレは『メタモルフォーゼ(変身)』という言葉を繰り返しました。
『3本線などのアディダスのアイコンを、別の洋服にのせることでメタモルフォーゼした。スポーツウェアはエレガントなスタイルにメタモルフォーゼしたし、グッチの伝統はコンテンポラリーにメタモルフォーゼしている』と言います。
こちらはアディダス オリジナルスの名作『ガゼル』に、グッチ独自のアレンジを加えたモデル。自らが変わることも厭わない、こんな柔軟な精神が社会をアップデートするのではないか?と信じています。
持続可能の先駆者が示唆する“FUNでプレイフルこそ正義”
バッグH35×W42×D13cm 16万7200円/ステラ マッカートニー 03-4579-6139
今年はおよそ3年ぶりに海外コレクションの現地取材を再開し、サステナブルのフロントランナーであるステラ マッカートニーのプレイフルなコレクションに感銘を受けました。
サステナブルを表現しようとするブランドの多くは、タイムレスやジェンダーレスを強く意識するあまり、シンプルでミニマルなモノトーンのデザインに終始しがちです。
それが悪いとは言いません。でも、多くのブランドがそれだけに終始してしまうのは、クリエイティブこそ醍醐味なファッション業界として、ちょっと物足りないとは思うのです。
バックパックH40×W27×D18cm 13万9700円/ステラ マッカートニー 03-4579-6139
一方、彼女の最近のコレクションは、まさにカラフルでプレイフル。
このふたつのバッグもそうですが、『サステナブルだから選ぶ』のではない、『選んだアイテムがサステナブル』という理想の姿を改めて教えてくれます。