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2022.12.03

時計

ブランパン「フィフティ ファゾムス」が格別なダイバーズウォッチである理由

世界初のモダンダイバーズとして登場し、現行モデルでも逆回転防止ベゼルや視認性の高いダイヤルレイアウトなど由緒正しきディテールを継承。軽量かつ低アレルギー性のチタンケースモデルは深いブルーダイヤルを採用し、海との親和性を強調する。「フィフティ ファゾムス オートマティック」チタンケース、45mm径、自動巻き。206万8000円/ブランパン(ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233)

世界初のモダンダイバーズとして登場し、現行モデルでも逆回転防止ベゼルや視認性の高いダイヤルレイアウトなど由緒正しきディテールを継承。軽量かつ低アレルギー性のチタンケースモデルは深いブルーダイヤルを採用し、海との親和性を強調する。「フィフティ ファゾムス オートマティック」チタンケース、45mm径、自動巻き。206万8000円/ブランパン(ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233)

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ブランパンの創業は1735年と、現存する時計ブランドとして最古の歴史を誇る。つまり機械式時計の名門中の名門、その矜持が宿るいくつかのマスターピースのなかでも、「フィフティ ファゾムス」の価値はまさに格別だ。

そのファーストモデルは1953年に発表されたが、完成には当時のCEOだったジャン=ジャック・フィスターの存在が欠かせなかった。

ダイバーとして海を愛した当時のCEO、ジャン=ジャック・フィスター(写真右下)によって考案された「フィフティ ファゾムス」。ファーストモデル(写真左上)開発の裏側にはフランス海軍ロベール・ボブ・マルビエ大尉の尽力も伝えられ、大ぶりなケース形状などは大尉の提案によるもの。

ダイバーとして海を愛した当時のCEO、ジャン=ジャック・フィスター(写真右下)によって考案された「フィフティ ファゾムス」。ファーストモデル(写真左上)開発の裏側にはフランス海軍ロベール・ボブ・マルビエ大尉の尽力も伝えられ、大ぶりなケース形状などは大尉の提案によるもの。


ビジネスエキスパートでありながらひとりのダイバーでもあった彼は、’50年に着任するやいなや理想的な海の時計を模索。自らの経験を踏まえ、海中での安全性を確保する計器の開発に精を出した。その情熱に呼び寄せられるように、フランス海軍より潜水時計製造のオファーが舞い込む。

アメリカ海軍が1958年に行った性能テストによって、「フィフティ ファゾムス」の信頼性が世に知れ渡る。軍の5つの基準をクリアした唯一の時計として認められ、611本もの軍用時計「ミルスペック1」を受注。’60年代初頭には「ミルスペック2」(写真)へと進化した。

アメリカ海軍が1958年に行った性能テストによって、「フィフティ ファゾムス」の信頼性が世に知れ渡る。軍の5つの基準をクリアした唯一の時計として認められ、611本もの軍用時計「ミルスペック1」を受注。’60年代初頭には「ミルスペック2」(写真)へと進化した。


そうして試行錯誤の末に完成したファーストモデルは、ロック可能な回転ベゼル、インデックスと針に蛍光塗料を塗った視認性の高いブラックダイヤルなど、現代のあらゆるダイバーズに連なるアイコン的ディテールを初搭載。

さらには裏蓋外周に金属リングを配置することで91.5mの防水性を確保し、フランスのみならず各国の軍事仕様に耐える理想型を実現した。

1956年には「バチスカーフ」がラインナップに加入。初代の「フィフティ ファゾムス」より小さい37mm径のコンパクトウォッチで、スポーツアクティビティ全般用の時計だった。

1956年には「バチスカーフ」がラインナップに加入。初代の「フィフティ ファゾムス」より小さい37mm径のコンパクトウォッチで、スポーツアクティビティ全般用の時計だった。


加えて、より汎用性の高いスポーツウォッチとして再構築された「バチスカーフ」が誕生したことで、民間にも広く認知されたのである。

6時位置のムーンフェイズに加え、曜日や月、日付表示を組み合わせたコンプリートカレンダー仕様。ダイヤルカラーとチタン素材が織りなす絶妙なグレーの濃淡にも目を奪われる。「フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー」チタンケース、43mm径、自動巻き。209万円/ブランパン(ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233)

6時位置のムーンフェイズに加え、曜日や月、日付表示を組み合わせたコンプリートカレンダー仕様。ダイヤルカラーとチタン素材が織りなす絶妙なグレーの濃淡にも目を奪われる。「フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー」チタンケース、43mm径、自動巻き。209万円/ブランパン(ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233)


そんな歴史とスペックの優位性を保つ一方、今では素材やカラーを拡張させ、現代のラグジュアリーを追求。革新を続ける“モダンダイバーズの祖”は、これからも特別であり続けるのだ。

村本祥一(BYTHEWAY)=写真 小山内 隆、髙村将司、安部 毅、増山直樹、戸叶庸之=文 成田国際空港=撮影協力

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