基本のグラスを知る
左からカクテルグラス、コリンズグラス、ロックグラス、ワイングラス。
カクテルには、そのスタイルに合ったグラスが存在する。例えば逆三角形で脚の部分が長い「カクテルグラス」は、飲み口が広いためアロマをしっかりと感じることができ、氷を使わないカクテルに合わせるのが一般的だ。
トム・コリンズに使われたことから名付けられた「コリンズグラス」は、飲み口が狭いタンブラータイプ。炭酸が抜けにくいことから、炭酸を使ったカクテルに使われることが多い。
辛口のショートカクテルで好んで使われるのがオールド・ファッションドグラスとも呼ばれる「ロックグラス」。
ワインを使ったカクテルや、サワーやフラッペなどのスタイルには「ワイングラス」を使うなど、バーで提供されるグラスにもしっかりとした意味があることを覚えておきたい。
バーテンダーこだわりの変わった器も! カクテルに使われるグラスにはさまざまなものがあるが、なかにはクリエイティビティを活かしたユニークなものも。
「ランプバー」の金子さんが、バーテンダーの世界大会「ワールド クラス」でバーテンダー・オブ・ザ・イヤーを獲得したときのカクテル、ザ・ビギニングでは、生命誕生を思わせる卵モチーフのオリジナルグラスを使用。陶芸家であるお父様が手掛けた作品だという。
オリジナルとまではいかなくても、テーマや味わいに合わせた陶器や、その土地の焼き物を使う店もある。カクテルを提供する器からも、バーテンダーのこだわりを感じてほしい。
カクテル界の王と女王・マティーニとマンハッタン
マティーニ
カクテルの王と呼ばれるマティーニ。誕生は諸説あるものの、イギリスのチャーチル元首相やヘミングウェイが愛したカクテルとしても知られ、映画『007』シリーズではジェームズ・ボンドを象徴するカクテルとして登場。
マティーニが似合う男というのは、同性から見ても格好いいのだ。
材料はジンとベルモットだけというシンプルさゆえに、バーテンダーの腕が試される一杯でもある。
マンハッタン
一方、カクテルの女王と呼ばれているのがマンハッタン。こちらも誕生は諸説あるが、マティーニと同様、世界で最も有名なカクテルのひとつで、マリリン・モンローの映画『お熱いのがお好き』にも登場している。
材料はウィスキーまたはバーボンとスイートベルモット、ビターズ、そしてお好みで沈む夕陽をイメージした砂糖漬けのチェリーを加える。ベルモットの甘さのなかに、ビターズのほろ苦さと薬草系の香りを感じるカクテルだ。
しかし、どちらもアルコール度数は高めである。飲みすぎて王と女王にひれ伏すことがないよう注意したいものだ。
今さら聞けないバーのことQ&A
メニューってあるの?「うちの店では初めての方にもわかりやすいように用意していますが、店舗によってはないところも。『メニューはありますか?』と気軽にたずねてみて」(バーノーブル 山田高史さん)
一杯だけでもいいの?滞在時間に制限は?「一杯だけでもちろんOK。夕方に立ち寄って、さっと一杯飲んでディナーに行かれる粋な外国人の方もいらっしゃいますし、滞在時間も人それぞれ」(The SG Club 永峯侑弥さん)
ドラマで見る、隣の女性に奢るシーンは実際にある?「あります。ただし喜ぶ女性ばかりではありませんし、バーによっては禁止をしているところもありますので、注意が必要です」(スタア・バー 岸 久さん)
どうやってオーダーしたらスマートに見える?「知ったかぶりをするよりも、バーテンダーに素直に聞いてもらうほうが格好いい。辛口が好き、アルコールが強めのものをなど、自分の好みを伝えましょう」(スタア・バー 岸 久さん)
世界4大スピリッツウォッカを知る
ジン、ラム、テキーラと並ぶ世界4大スピリッツのひとつ、ウォッカはロシアにルーツを持ち、大麦、じゃがいも、ライ麦などの穀物を原料とする蒸留酒。
白樺の炭で濾過をしているため、同じ無色透明ながら、ジンに比べて雑味がないので、素材の味をダイレクトに伝えたいカクテルで使用されることが多い。アルコール度数は一般的に40度前後。
果物やハーブで味付けをしたフレーバードウォッカや、アルコール度数が96度もあるスピリタスというウォッカもある。