ベスト2万6400円、パンツ2万6400円/ともにワングラヴィティ(エストネーション 0120-503-971)、ブレスレット50万6000円/ミキモト 0120-868-254、その他すべて私物
ポリープに続いて、世界中をコロナ禍が襲い、さらに’21年、今度は吉川自身が心臓の手術を受けることになった。
「もし(心臓疾患の)発見が遅れていたら、もう今のようには歌えなくなっていたそうです。まさに命拾いしたんです。今は、こうして生かされていることへの感謝の気持ちが大きい。
自分のことだけではなくて、世界は大変な状況じゃないですか。戦争があり、異常気象があり、物価の高騰も……。日本も僕らが若かった頃のような国力は既になくなっていますし、この流れはなかなか止められない。それは認めざるを得ないんだけど、生きていられるだけでもありがたいことですよ。
同世代の、ニッポンのおじさんたちには、こんな時代だけど、それぞれがやれることをやって“がんばろうぜ! ”と言いたいですね。あとに続く世代に負の遺産ばかりを残すのは格好悪い」。
リリースされたばかりの、6年半ぶりとなるアルバム『OVER THE 9』には、現在の吉川のさまざまな想いが集約されている。11月20日からこのアルバムを引っ提げてのツアーも始まった。
「気がつけば6年半も経っていた。満足に歌える状況が整わない時期が続いたけれど、ようやく少しずつ光が見えてきて。まだ決して十分とはいえないが、今できる限りのことを、この一枚に詰め込みました」。
時代とも向き合いながら、吉川はさらに一歩ずつ、前へ進んでいく。
「この間、水泳部時代の同級生たちと久しぶりに食事をしたんです。『還暦になったら、みんなで試合に出ようか』って。そんなことも、楽しみのひとつです」。
吉川晃司 Age 57●1965年生まれ。’84年に映画『すかんぴんウォーク』と、主題歌「モニカ」でデビューする。'88年には、ギタリスト布袋寅泰とのユニット、COMPLEXを結成。その後、ソロアーティストとして、作詞、作曲、プロデュースを自ら手掛け、ロックアーティストとして不動の地位を確立。近年は、俳優としても高い評価を得る。精力的にライブを行う中、映画やドラマ等、活動の幅を広げて活躍中。