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あらゆる変遷を辿って選び抜いた最良の一本

今の鈴木さんが信頼を置くデニムは、同店のベストセラーにもなっている一本だ。



「こちらは1970年代にアメリカのトラディショナルブランドからリリースされていたボトムスをベースにした、ビームス プラスのオリジナルデニムです。独特な場所につけられたコインポケットやツーインプリーツのタックがポイントで、チノクロスとツイルで作っていたものをデニムに置き換えています」。



「腰回り、もも周りは太いのですが、そこから裾にかけギューッとテーパードさせている。個人的に、リーバイスの501などのベーシックなデニムは、着用者のセンスや体型に左右されると思っています。正直、モデルさんには敵いません。

だから僕は、デニムはすごく好きなんですけど、アレンジ、デフォルメされているものに興味がありますね。この製品は、はくと何か新たな個性を身にまとえる感覚にさせてくれるんです」。



大胆にアレンジされているとはいえ、いざはいてみるとこれがまたシュッと見える、なんとも不思議な一本だ。



「デイリーにガシガシはいて、ガシガシ洗えます。子育て世代には打ってつけですね。それでいてこの作りですから、おそらくボロボロのヴィンテージよりママ友ウケもいいんじゃないでしょうか(笑)。

ムラっ気のある表情もいいし、普通のデニムよりもオンスが軽いのではきやすい。あとは、僕ら世代はお腹が出てきますけど、こちらはウエスト周りにゆとりがあるのでさほど目立たず助かります」。

さらに、デニムを着用する際に基準となるアイテムがあるという。



「僕の場合、スポーツコートとどう合うかが選びのポイントになります。コーデュロイのこれにノーマルデニムを合わせると普通すぎてピンとこないのですが、こちらを合わせるとファッション的に一段、二段上がるような気がします」。



「スポーツコートを着てネクタイをしめるのがセオリーではあるんですけれど、今回はタートルネックで品良くまとめました。ちょっと堅さを抜こうかなと」。

そのインナーへパフべストを合わせることで、気温の変化に対応しながらスタイリングの幅もとれるという。


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