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2022.11.22

ファッション

新たな資源は使わない“廃棄物100%”。漁網を再利用した「エコニール」がクリーンな海を守る

© Backgrid/AFLO

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人類が直面している環境問題のなかで優先すべきことはさまざまあるなか、大きな問題となっているのが海洋プラスチックだろう。

世界の海にはおよそ1億5000万tのプラスチックが存在し、さらに年間800万tものプラスチックが流入し続けているという。2050年には海洋プラスチックごみの量が海にいる魚の量を上回るという、ショッキングな予測もある。

では具体的に、どんなプラスチックごみが海に捨てられているのだろうか。一般的に知られているのは、飲料用ペットボトルや洗剤容器、食品トレーやレジ袋といった身近なごみだ。その軽さゆえ風雨により膨大な量が海岸に打ち上げられるから、誰の目にも明らか。

だが実は、海の中にはこのほかにもたくさんのごみが存在する。

そのひとつが漁網だ。養殖に使われるものが流されたり、海中の岩などに引っ掛かってそのまま投棄されたり。その重量から海底に沈むことも多く、人の目に触れにくいというある意味とても厄介なごみなのだ。

海に漂う漁網をダイバーが回収。

海に漂う漁網をダイバーが回収。


そんな漁網や、アメリカで埋立地などに大量に廃棄されているカーペットを主原料とした再生ナイロン繊維がある。イタリアのアクアフィル社が開発した「エコニール」だ。漁網はイタリア周辺各地の養殖場と連携して廃棄予定のものを回収。海洋プラスチックごみとなったものをダイバーたちが回収し、「エコニール」へと生まれ変わる。

サステナブル視点での特性はズバリふたつ。新たに採取した資源を使わない、廃棄物100%の素材であること。そして石油由来のナイロンの生産時に比べて、二酸化炭素の排出量を最大90%も削減できることだ。

ミリタリージャケットをモチーフとした男らしいデザイン。レンズをデザインした左腕のディテールに遊び心が感じられる。薄手で軽快な着心地は、これからの時季に打ってつけ。リサイクルナイロン繊維「エコニール」を使用した生地を採用する。8万2500円/シーピーカンパニー(ライステイトジャパン 03-6455-4332)

ミリタリージャケットをモチーフとした男らしいデザイン。レンズをデザインした左腕のディテールに遊び心が感じられる。薄手で軽快な着心地は、これからの時季に打ってつけ。リサイクルナイロン繊維「エコニール」を使用した生地を採用する。8万2500円/シーピーカンパニー(ライステイトジャパン 03-6455-4332)


この「エコニール」を積極的に使用したアイテムを数多くラインナップしているのが、アクアフィル社と同じイタリアが拠点のシーピーカンパニー。今季も写真のジャケットのほか、数多くのアウターが用意されている。

服としての優れたクリエイティビティでは、既に世界的な評価を確立しているシーピーカンパニー。今後は得意とするガーメントダイ(製品染め)の技術も、より環境負担の少ない方法を研究しているという。サステナブル領域での進化も大いに期待したい。

さて我々は「オーシャンズ」という名前のとおり、海に対してひとかたならぬ思いを抱いている。いつまでも青く美しい海を未来に引き継いでいくために、今後もファッションSDGsの観点から伝えるべきことを伝えていきたいと思う。

清水健吾、干田哲平、高橋絵里奈=写真 梶 雄太、来田拓也、松平浩市=スタイリング 加瀬友重、高村将司、オオサワ系、安部 毅、増山直樹、磯村真介(100miler)、早渕智之、大木武康、大関祐詞、今野 壘=文

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