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2022.03.02

ライフ

2000以上のブランドが採用する再生素材「エコニール」の、ゴミ削減以外の大きな価値

使用された「エコニール」自体も品質を損なうことなくリサイクルできるという画期的なマテリアル。同素材を開発したアクアフィル社は循環型経済を体現する会社として高い評価を得る。

使用された「エコニール」自体も品質を損なうことなくリサイクルできるという画期的なマテリアル。同素材を開発したアクアフィル社は循環型経済を体現する会社として高い評価を得る。


ハイブランドの世界でも再生素材を使用する動きが活発化している。グッチ、ザ・ノース・フェイス、プラダがパートナーに選んだ素材が「エコニール」だ。

エコニールはイタリア北部でナイロンなどを作るアクアフィル社が、2011年に生産を開始したリサイクルナイロンで、海に廃棄された魚網や、アメリカで毎年1850kgほどが埋立地に廃棄されているカーペットを主原料とする。

魚網は各地の養殖場と連携して回収し、廃棄され海ごみとなったものはダイバーたちが回収。スロベニアの再生工場に送られ、エコニールに生まれ変わる。



また古くなったカーペットはアメリカ国内に設けた再生工場で処理し、ポリプロピレン、ナイロン6、炭酸カルシウムの3つに分解。ナイロン6はスロベニアに送られてエコニールとなり、ポリプロピレンと炭酸カルシウムはリユースされる。

このようにエコニールは100%廃棄物からのリサイクル素材だ。



さらにごみを減らすだけでなく、石油由来の通常のナイロンの生産時に比べてCO₂排出量を最大90%も削減する。

そんな環境に優しい特徴と、イタリアでナイロン糸を作る事業を営んできた会社のルーツからハイブランドの目にもとまり、今や全世界で2000以上のブランドが採用するまでに成長。

ファッション大国から生まれた輝かしい潮流は、しばらく世の中を席巻しそうな勢いなのである。

小山内 隆、増山直樹=文

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