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2022.11.07

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2億8000万円で落札されたオメガ「スピマス」。1969年に限定製造された1本がオークションに登場

オークションに出品された「スピードマスター」BA 145.022。courtesy of RR Auction 

オークションに出品された「スピードマスター」BA 145.022。courtesy of RR Auction 

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NASAの宇宙飛行士ウォルター・“ウォリー”・シラーが所有し着用したオメガ「スピードマスター」がRR オークションにて190万7千ドル(約2億8000万円)で落札された。

この18Kイエローゴールド製 BA 145.022モデルは、オメガの長年に渡る宇宙開発のレガシーを象徴するタイムピース。アポロ11号のミッション成功を記念して1969年にリリースされた特注の“ナンバードエディション”モデルで、1014本が製作された。

その限定番号3〜28番は同年11月25日、ヒューストンで開催された晩餐会「アストロン アプリシエイション ディナー(Astronaut Appreciation Dinner)」で、NASAの宇宙計画に参加した宇宙飛行士たちに贈呈されたもので、今作はシラーが受け取ったものである。

オークションに出品された「スピードマスター」BA 145.022 ケースバック。 courtesy of RR Auction

オークションに出品された「スピードマスター」BA 145.022 ケースバック。そこには“Astronaut Walter M. Schirra, Mercury 8 - Gemini 6 - Apollo 7”と刻印されており、シラーは限定番号の8番の時計を受け取った。 courtesy of RR Auction


ケースバックに刻まれた「to mark man's conquest of space with time, through time, on time(時間とともに、時間を通して、時間通りに達成された人類の宇宙進出を記念して)」のメッセージが、当時の偉業と時の重さを感じさせる。

また、搭載したキャリバーは861で、これは月面着陸時に宇宙飛行士が着用していた「スピードマスター」に搭載されていた伝説のキャリバー321の直系機となる。

シラーは当初、私物の「スピードマスター」を着けていた

シラーは、オメガの宇宙開発の歴史における象徴的な存在でもある。

1962年10月3日、彼がマーキュリー計画のシグマ7号ミッションの際に着用していた「スピードマスター」CK2998は、実は彼の私物だった。

これが、オメガの時計が宇宙で着用された史上初の事例となり、その後のオメガと宇宙との特別な関係の出発点となったのだ。

その数年後、NASAは「スピードマスター」をすべての有人宇宙ミッションにおける公式装備品として認定した。

当初“ナンバード エディション”は誰の手に?

ちなみに今回の“ナンバード エディション”は、1969年から1973年にかけて、生産された数はわずか1014本。その限定番号1番は、リチャード・ニクソン大統領に、2番はスピロ・アグニュー副大統領に贈られた。
※その後、アメリカ政府の厳格な贈与協約によって2本は返却されている。

その他3〜28番はNASAの宇宙飛行士に、29〜32番はスイス時計業界のリーダーや政治家に、そして、33〜1000番は一般に購入する機会が与えられた。これらの時計はいずれも、今でも高い人気を誇っている。

今年初め、アポロ11号の宇宙飛行士マイケル・コリンズ氏に贈られた「スピードマスター」BA145.022は、オークションで765,000ドルの値が付いたが、それに継ぐ快挙。稀少な「スピードマスター」シリーズの人気の高さを証明する出来事である。


[問い合わせ]
オメガ
03-5952-4400

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