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「話題性や人気を物差しにしない」という視点

そんな今泉さんは、アイテム選びで大切にしている視点があるという。



「ある大先輩に『お金を持ったらセンスがなくなるからな』と忠告されたことがあったんです。例えば、AとBのアイテムを迷ったとき、結構みなさん高価な方を買われるんですよね。理由を聞くと、『高い方がいいに決まっている』と。

それもブランディングと納得するところはありますが、できることなら金額以外のところで判断できる大人でありたい。年を重ねていくうえで、良いモノを手に取る感性や嗅覚は持ち合わせていたいなと思います。

シュプリームは、そんな人たちも手に取っている印象がありますね」。

だからこそ、今泉さんは話題性や人気だけでアイテムを手に取らない。こちらのシャツもまた、独自の感覚で手にしたアイテムである。



「むしろシャツなどの一般的なアイテムの方が、シュプリームは強いマインドを持って作っていると思います。このウエスタンシャツもユニークなアイテムですが、最高級のシャツと比べてもまったく引けを取りません。

上質な生地を使いながら、パジャマのような風情がまた肩肘を張るわけでもなく、そしてブランドで武装するわけでもなく、ほどほどに抜け感が出ている。まさに“ちょうどいい”んですよ」。

サングラス4万1800円/アヤメ 03-6455-1103

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「デニムにタックインしながら革靴を合わせる、みたいなのもすごくカッコいい。しかも、サテン生地でちょっとツヤっぽいので、ドレス寄りな着こなしにもマッチします。ただ、今日は気取らずラフに合わせたいと思って、あえてシャツジャケット風にパーカの上に重ねました」。



昔からあるメンズカジュアルの定番、ウエスタンシャツ。ただ、オーセンティックなアイテムゆえ、そのまま合わせるとコテコテにもなりかねないが、そのあたりはストリートの流儀に倣うことで、程よい今っぽさを演出することができる。



「ストリートっぽく収めようとすると、こういう着方になるのかなと。馴染み深いゆとりのあるパーカにリラックス感溢れるラフなコットンパンツ。そして足元はヴァンズ。こういうスタイルがすごくラクですね。無理なく自由というか。そのスタンスやマインドもまた、シュプリームを身につける際には大事ですよね」。

斬新なプロモーションやあっと驚く企画モノなど、シュプリームの刺激的なアクションやアイテムにばかり目が行きがち。ただ、その根本に宿るモノ作りへの情熱も忘れてはならない。同じ作り手である今泉さんのコメントを聞くほどに、それをより実感した次第。

伊藤恵一=写真 菊地 亮=取材・文

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