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2022.10.10

新型「レンジローバー」はアリかナシか。9年ぶりにモデルチェンジした一台に対する専門家の評価

「ランドローバー レンジローバー」オートバイオグラフィー P510e AWD PHEV、2220万円。 

「ランドローバー レンジローバー」オートバイオグラフィー P510e AWD PHEV、2220万円。 

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9年ぶりにモデルチェンジが行われたレンジローバー。ラグジュアリーな空間設計はもちろん、3列シートのロングモデルも登場し、よりファミリー層の理想を詰め込んだ車になった。

PHEVモデルでは、走破性はそのままに、ほぼ無音のEV走行が可能。ランドローバーの持ち味ともいえる滑らかなドライブをさらに快適にしてくれる。

この一台を、モータージャーナリストたちはどう評価しているのか。さっそく各者の言い分を聞いていこう。
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SUVの新たな基準なる車

レンジローバーはランドローバーの頂点にあって、設えや乗り味の面で、他のファミリーカーとは一線を画してきました。この、ちょっと別格な感じというのはメルセデスのSクラスにも見て取れるものです。

おそらくブランドとしてのプライド以上に、カテゴリーのパイオニアとしての自負がそうさせるのではないでしょうか。

ひとつ前のレンジローバーが登場して以降、ハイエンド系SUVを取り巻く市場は大きく変わりました。ロールス・ロイス、ベントレー、アストンマーティンにランボルギーニにマイバッハに……、百花繚乱の様相です。

その中で新型レンジローバーは、見るからに自分らしさを保ちながら、他ブランドと対峙しています。

より高価格なライバル相手にもまったく引けを取らない静粛性の高さ、あるいはそれらをも上回るトロトロの乗り心地、そのふんわり感からは想像もつかない山道での運動性能といったオンロード領域の洗練度は驚くほどです。

加えて、私はまだ試せていませんが、悪路での性能も代々受けつがれてきた猛烈な走破性が担保されているはず……。

とすれば、レンジローバーが大混戦のSUVセグメントの新たな指標となったことには疑いがありません。

自動車ライター
渡辺敏史

出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。


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ジャンルの真打ち登場!

めっちゃ格好いいわ、新しいレンジローバー。ひと目見た瞬間にレンジローバーだとわかる歴史を踏まえたデザインでありながら、ちゃんと今っぽさも感じさせる。この今っぽさの秘密はどこにあるのか? 

レンジローバーだけでなく、ヴェラールもイヴォークも、最近のこのブランドは、凸凹をなくしたトゥルントゥルンの表面処理がデザインの特徴だ。

で、このトゥルントゥルンはスムージングといって、もともとはカスタマイズカーやチューニングカーで使われる手法だった。つまり、歴史と伝統を誇る名門レンジローバーが、“ストリートカルチャー”からアイデアを得たということになる。

ん? これってどっかで聞いたことありません? そうです、ハイブランドがストリートのテイストを採り入れるのと同じです。
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車とファッション、遠く離れているようで、デザインのトレンドという切り口で見れば意外と近いのだ。

デザインだけでなく、PHEVをラインナップして、将来的にはBEVも加わるというから、電動化のトレンドにも乗っている。

高級SUVの先駆者であるレンジローバーにもライバルが増えてきたけれど、5代目となる新型は見ても乗っても圧倒的な出来栄えで、他を頭ひとつ離した。これぞ真打ち! 

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/編集者。2022年夏の最大のイベントは、人生で初めて富士山に登ったこと。「8合目からはツラかったけれど、山頂で覚えた達成感はハンパなかった」とか。
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