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2022.10.01

ファッション

150万円の国宝級「501XX」! 藤原 裕さんに教わる“ヴィンテージデニムと日本人”の深い関係

 

ほぼ新品のワンウォッシュ(一度しか水を通していないであろう美品)。レザーパッチもしっかり残存し、赤タブの刺繍ロゴは、片面のみ入っているというこの時代ならではのデザイン。150万円/ベルベルジン原宿本店 03-3401-4666

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ヴィンテージショップ、ベルベルジンのディレクターとして、これまで数万本というデニムを見てきた藤原 裕さん。最近、『教養としてのデニム』(KADOKAWA刊)を上梓した彼が、あるデニムを見せてくれた。

「1947年製のリーバイス50XXです。特にこの年代のものはマニアの間で一番人気。

戦時中は物資不足で満足にデニムが作れませんでしたが、終戦後に発売されたこちらはアーキュエイトやコインポケットのリベットなどのディテールが復活し、従来よりも縫製技術が上がったことで生地の品質が高まり、インディゴの色みも濃いんです」。

確かにかっこいいが価格は150万円と、決して笑えない。そもそもヴィンテージデニムに価値を見いだしたのは日本人。この文化はどんな経緯で生まれたのか。

「要因は複合的ですが、まず挙げられるのが’80年代の古着屋です。

雑誌『POPEYE』などでアメリカンカルチャーの特集が幾度となく組まれ、若者たちの間でアメリカの古着がブームとなり、多くの店が古着の販売を始めました。その後ファッションの定番となり、雑誌『Boon』でも毎月のように魅力を紹介したことで人気に拍車がかかりました。

そして同じ頃、日本経済はバブル期に突入し、市場価値も上がって手の届かないアイテムになったと思われます。なかでもリーバイス501は別格の価値の上昇を見せました」。

ヴィンテージオタクであれば驚くような大金を出して買うほどのものもあるが、5万円くらいから買える状態のいいヴィンテージもあると教えてくれた。

 

新作では’60年代の501を再現。ボタンフライが定番だった当時、東海岸や海外向けに作られたジッパーフライモデルがベースだ。モデル名「501 Z」の「Z」はジッパーの意。デニム3万5300円/リーバイス ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン 0120-099-501)、ポロシャツ 1万6500円/ラコステ 0120-37-0202、ブレスレット68万9700円/フレッド 03-6679-2011、胸に掛けたサングラス8万4000円/ラザール・ステュディオ(グローブスペックス ストア 03-5459-8377)


季節に関係なくコーディネイトの核となるだけに、自分にとって最高の一本と出会いたい。藤原さんにその秘訣を聞いた。

「信頼できる店で買うことが大事。値段設定の理由、どんな時代背景で作られたのかなどを店員に聞きましょう。そののち、好みの色落ちやサイズ、予算を話し合う。

日本は世界一ヴィンテージデニムが集まり、それを好きな人も多い国ですからこれを利用しない手はありません。

聞いて・買って・はく。そうして見つかったデニムは、より愛情を持って気分良くはけるはずです」。

清水健吾=写真 来田卓也=スタイリング 竹井 温(&’ management) オオサワ系=文

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