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「土管のゲストハウス」に置かれたランドローバーは芸術品のようだった(筆者撮影)

「土管のゲストハウス」に置かれたランドローバーは芸術品のようだった(筆者撮影)


5世代目となる新型は、複雑きわまるその技術的内容を包み隠すかのように、シンプルに見える内外装デザインを採用した。「レンジローバーといえば、こんなカタチだよね」と誰もが想像するような2ボックス・ボディーでありつつも、見る人が見れば数多の工夫を、絶妙なバランスのもとで凝らしている。日本デビューの報道試乗会は、そうした巧みなスタイリングと呼応する佐藤オオキ氏の新作「土管のゲストハウス」が拠点となった。

50年の積み重ねの中で考え尽くされている


車両の全高は1870mmにおよび、運転席はよじ登るような高さにあるが、ロックを解除すると床下から自動でステップが現れて乗降を助けてくれる。駐車時や走行時はドアパネルと面一になっているドアハンドルも、必要に応じてポップアップする。

ダッシュボードやセンターコンソール、タッチパネル・ディスプレーはそれぞれ極端な存在感を主張せず、適度なボリューム感に収められているから、コクピットからの眺めはこれまでランドローバーに親しんだ多くの人を安心させるはずだ。ドライビングポジションや、フロアとダッシュボードの高さの関係など、50年の積み重ねの中で考え尽くされているのだろう。

エンジンを始動してまず驚かされるのは、直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンの穏やかさだ。エンジン自体が発するノイズや振動も抑えられているのだろうが、いろいろ観察するとそれらの伝達を徹底的にシャットアウトしようとしていることが見て取れる。

エンジンルームを観察すると、パワーユニットの周囲は360度パネルで囲われており、分厚いラバーを挟んで重いボンネットで上から封をするように覆われる。サイドウィンドーは2層式の「アコースティックラミネーテッドガラス」を採用して車外騒音が室内に及ぶのを遮断し、さらに「アクティブノイズキャンセレーション」によってスピーカーを通じてノイズを打ち消す仕組みが導入されているのだ。

タイヤが転がり始めてすぐに、上下動が少なく想像以上に乗員の目線が安定していることに気づく。23インチ径と巨大なタイヤ&ホイールはかなりの重量と思われるものの、乗り心地への悪影響は考えられる最小限にとどめられている。


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