言葉②「文句は誰でも言える。だからこそ、批判する側ではなく評価される人間でいたい」
Q:昨年6月に引退し、クラブ運営、「CRO」という仕事を次のフィールドに選んだ理由を教えて頂けますか? いろんな選択肢がある中で、自分がお世話になったチームに恩返しをしたいという漠然とした思いがあって、そう考えていた時にちょうどラグビー界自体がプロ化に走ったんです。
そこで、我々がどのチームよりも先に親会社から子会社化して、ラグビーを事業としてやっていくと。本社の中でラグビーをする部門、部署としてやっていくのであれば面白くないなと思っていたんですけど、組織のトップにも業界でプロとして実績がある人が来ると聞いて、「面白いな」と思いました。
Q:五郎丸さんは具体的にどのような役割を求められているのですか? この1年間はチケットの担当でした。チケットってやってみるとびっくりするほど専門性が高いんですよ。1からいろんなことを教えてもらいながら、チケットの売り方、スポンサーさんもいらっしゃる中で、一般に発売する分とスポンサーさん用の部分を管理したり。
Q:ラグビー界への恩返しと、W杯後の苦い経験が、引退後の新たな挑戦心をかき立てたと? そうですね。それと、
批判する人間じゃなくて、批判される、評価される人間でありたいなって思ったのは、大きかったかもしれないですね。文句は誰でも言えるわけですよ。ただ、そんなこと言っていてもしょうがないなと。
それだったら、ラグビーの運営の中に入って、良いも悪いも評価され続ける人間でありたいなという風に思ったのは大きかったかなとは思いますね。
Q:運営側としての1年も踏まえ、現役時代の経験が社会で生きたと感じる部分はありますか? チームの方が簡単だったなと思います。ゴールが一緒ですから。
でも、一歩外に出て組織に属すると、そうじゃない人たちもいるなと。でも、そういう人たちが意外とバランスをとっていたりするんじゃないかなとこの1年で思ったんです。
Q:組織をマネジメントしていく上では、いろいろな考え方の人を全体の目標に向かって導かなければならないと思うのですが、どうすれば主体的に目標を共有できるのでしょうか? 僕が組織をマネジメントするとかっていうのはまだ先のことでしょうけど、僕がずっと思っているのは、ビジネス界であれ、スポーツ界であれ、人間がやってるので、最終的にはコミュニケーションだと思っています。
どれだけスキルが高くても、信頼感がなければ頼られないじゃないですか。それってもったいないなと思うんです。だから、コミュニケーションを取ることが一番大事だなと思いますね。
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