失敗① ハワイの物件を勢いだけで契約
しかし、佐藤さんはすぐにハワイの洗礼を受けることになる。
「ハワイで商業店舗を借りる場合、日本の礼金にあたる“ロイヤルティ”と前家賃、造作譲渡料、工事費がかかるのが一般的なんです。もちろん、店舗の工事が終わるまで空家賃も発生します。でも、紹介された物件は礼金と前家賃、造作譲渡料が要らないっていう好条件だったんですよ」。
これは逃さないわけにはいかないと、佐藤さんは勢いで契約書にサインしたが……。
「調布の店の経験がベースにあったので、工事費は700万円、店は2〜3カ月程度でオープンできるだろうと見積もってたんです。いやー、ぜんぜん甘かったですね(笑)」。
映画監督のタランティーノの作品に出てくる日本みたいなイメージが好きで、「フジヤマ」というワードを使いたくて思いつきで「テキサス」をつけて店名にしたという。
契約書を交わしたら後戻りはできない。エアコンのパイプや排水のオイルフィルターなど、修理が必要な部分が相次ぎ、費用はどんどん膨れ上がっていったという。
「ハワイではまず建築士を連れていって、店の内装やレイアウトをしっかり相談し、見積もりを確認したうえで契約を結ぶのが普通だって後から知りましたよ」。
結局、工事費用は次々と追加され、最後には300万が支払えない事態に。大工に懇願し、ツケ払いを取り付け、なんとかその場を乗り切った。
教訓① ハワイでは契約前に建築士と見積もりを作成すべし!
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