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失敗① 会話がストレスになる “人疲れ”



「始めたばかりの頃は出会う人たちが面白くて、楽しかったんです。同世代なのに生き方がバラバラで刺激的でしたし。上は80歳、下は1歳までいて、コロナ禍なのにまったく孤独を感じない2年間でしたね。

ただ、時間が経つにつれ、自己紹介が続く毎日に疲れてきたんです。相手の話を聞く時間が増えれば、自分の時間も減るし、会話がストレスになってきちゃって」。

刺激に慣れていくと、新鮮な気持ちも消えていった。会話に疲れている自分に気付いた西出さんは、自分の状態に合わせて拠点を選ぶようになった。



「一人になりたいときは個室のあるホテルを選び、みんなでワイワイしたいときはドミトリーを選ぶようにしています。京都は銭湯やサウナが多いので、没入できる場所としておすすめですね。

今、自分は何にストレスを感じているのか、なぜあのとき、あの人に言われたひと言で悔しいと感じたのか、逆に嬉しいと感じたのか。自分が抱えている課題を一つひとつ洗い出し、改善していくようにしています。アドレスホッパーは、内省する時間をしっかり取ることが大切です」。
教訓① 自分の課題と向き合い、拠点を選ぶべし!


失敗② 年間50回におよぶ”移動疲れ”

これが多拠点生活を続ける西出さんの全荷物! スーツケースとボストンバッグ、リュックサックの中に洋服や仕事道具が収まる。最近は太り気味だといい、体重計も必需品だ。

これが多拠点生活を続ける西出さんの全荷物! スーツケースとボストンバッグ、リュックサックの中に洋服や仕事道具が収まる。最近は太り気味だといい、体重計も必需品だ。


西出さんが利用する「ADDress」のサービスは、同じ拠点に連続で滞在できるのは7日間と決まっている。つまり、少なく見積もっても年間50回は移動を繰り返す計算になる。

「北は新潟、南は鹿児島まで33都道府県を移動しました。数でいうと90拠点にのぼります。始めたばかりの頃は、行きたいところへ行ける自由が楽しかったんですが、大阪から長野、大阪にまた戻り、次は大分に行くといった極端な移動が日常になるとかなり辛いですね。その都度、荷物も運ばないといけないので」。



交通手段は公共交通機関もあれば、飛行機、新幹線やレンタカーの場合もある。目的地に合わせて最適な方法をその都度選んでいるという。

「公共交通機関が少ないエリアの場合はレンタカーが必須で、逆に駐車料金が高い地域には公共交通機関で行くようにしています。遠距離なら飛行機というケースも。行く先々の環境で効率のいい手段を選んでいます」。

とはいえ、2年半で培った移動のコツもある。

「たとえば東京から長野に行くなら、間にある富士吉田、甲府、八ヶ岳に滞在するんです。最終目的地までにいくつか中継地点を挟むことで、一回の移動距離を短くする。50km圏内を目安にすると移動はラクになりますね」。
教訓② 中継地点を設けて一回の移動距離を短くするべし!


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