「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:高齢者福祉関係・管理職「高齢者福祉に関わる会社で管理職をしています。高齢者は基礎疾患を持つ方が多く、新型コロナ感染による死亡リスクが高いこともあり、従業員には徹底したコロナ対策を要請しています。
しかし3年目に突入し、従業員には会社の懇親会はおろか、通常の飲み会の参加すら自粛してもらっている状況が続いています。
かなり疲弊している人も多く、全社的には退職する人も増えてきているようです。上司としてどのように対処すればよいのでしょうか」。
アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
エッセンシャルワーカーの厳しさ
医療や福祉、保育、教育、インフラ、その他公共サービスの関係者など、コロナ禍でも日常生活を送る上で必要不可欠な仕事をしているエッセンシャルワーカーの皆さんには、社会で過ごす人全員がお世話になっており、その日々の努力には頭が下がります。
ほかの職種に比べ厳しい自粛をしなくてはならないこと自体の要・不要は門外漢の私にはわかりませんが(現状の方針は専門家による判断でしょうから、ここでは致し方ないことと考えることにします)、そのうえでこの厳しい仕事環境の中で働く方々のために、どんなことをすれば少しでも貢献できるのか、考えてみたいと思います。
なぜ厳しい仕事を続けられるのか
まず、そもそもこういう厳しい環境の中で仕事を続けられる人は、逆になぜ続けられるのでしょうか。
同じように厳しい環境の中で働いている人たちの中で、燃え尽きてしまう(バーンアウト)人と、充実して活き活きとしている人の間には、どんな違いがあるのでしょうか。
そんな疑問から始まったのが、ワークエンゲージメント(仕事に対するポジティブで充実した心理状態)に関する研究です。
仕事を一生懸命していても、仕事への態度にネガティブな傾向がある状態をワーカホリック(仕事中毒)と言います。こういう人はバーンアウトしてしまうわけです。
一方、同じように仕事が大変でも、仕事から活力(Vigor)を得ていたり、意味や誇り(Dedication)を感じていたり、没頭(Absorption)できていたりすると、むしろ心身は健康になります。
さらに、組織への貢献欲は高まり、業績も上がり、離職も減るとされています。
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