▶︎すべての画像を見る フェラーリは75年の歴史で初めての4ドア4シーターモデル「Purosangue(プロサングエ)」を発表した。その名前は、イタリア語で「サラブレッド」を意味する。
フェラーリといえば2+2モデル(前2席、後部に小ぶりな2席)が基本フォーマットだが、プロサングエは観音開きの4ドア。電動開閉式となっている。インテリアを見ると後席にもしっかりと余裕を持たせていることがわかる。シャンパンが収納できるキャビネットも装備しているようだ。
シートは、ブランド史上初となる4個の独立シートを搭載。これによって得られる快適性は抜群だろう。
プロサングエのエンジンとデザイン
フェラーリは75年におよぶ歴史において多くのスーパーカーを世に届けてきたが、昨今トレンドとされるSUV領域には手を出してこなかった。
プロサングエはその一手とも受け取れるが、ブランドにとっての位置付けはあくまでスポーツカー。快適で、多様な使い方できることが新しい提案だとしている。
実際にスペックを眺めてみると、最高速度は310km/h、0→100km/hには3.3秒で到達する。エンジンは6.5リッターV型12気筒の自然吸気エンジンで、最高出力715ps、最大トルク716Nmというから、スポーツカーの領域にはとどまらないバケモノと言ってもいいかもしれない。
デザイン面では、ボンネットのカーブが最もきつくなる部分からフロントウィンドーにかけて、最大限シームレスに設計された流麗なフォルムが美しい。
さらにルーフからリアスクリーンまでを同じテンションで繋ぐことで、官能的なラインを実現している。
もちろんこれらは、スポーツカーとしてのパフォーマンスも存分に考慮して築き上げた結果。気流デザイン、抵抗係数(Cd)の低減などを手に入れた、圧倒的な機能美なのである。
その副産物として、プロサングエのリアスクリーンにはワイパーがない。雨などの水滴も、ガラス表面を通過する気流で吹き飛ばすという。無駄なパーツを排したことが、ストイックなデザインにひと役買っていることは間違いない。
中身のレイアウトにまで息づくエンジニアの自信
一方、表からは見えない“中身”のレイアウトは、ミッドフロントにエンジンを、リアにギアボックスを搭載する、スポーティなトランスアクスル・レイアウト。
エンジン前方にパワー・トランスファー・ユニット(PTU)を組み合わせることで、前後重量配分は「49:51」となっている。
これはフェラーリの故郷・マラネッロのエンジニアが「ミッドフロントシップのスポーツカーにとってベスト」と自信を持つバランスだ。
それではサイズ表もまとめておく。
全長:4973mm
全幅:2028mm
全高:1589mm
ホイールベース:3018mm
フロント・トレッド:1737mm
リア・トレッド:1720mm
乾燥重量:2033 kg
燃料タンク容量:100 L
トランク容量:473 L
プロサングエの値段は? 日本での展開は?
ここまでくると気になるのは、プロサングエの値段だ。イタリアではベースモデルで39万ユーロ(約5600万円)とされる。デリバリーは2023年の予定だ。まだ日本での展開方法などの詳細は発表されていない。今後どのような動きがあるのか、跳ね馬の“サラブレッド”から、しばらく目が離せそうにない。