▶︎すべての画像を見る ビームスがローカルの魅力をプロダクトを通じて発信するプロジェクト「ビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)」。これまで全国津々浦々、さまざまな地域とタッグを組んできたが、今回のパートナーは北海道八雲町である。
鋭い方はお気づきであろう。ターゲットは“木彫り熊”。なぜなら八雲は資料館があるほどの、木彫り熊の聖地なのだ。
イベントで販売される湯呑。2200円/ビームス(ビームス ジャパン 03-5368-7314)
木彫り熊の故郷はスイスとか、それを持ち込んだのは徳川家とか、鮭はもともと咥えていなかったとか、トリビア的な情報だけでも魅力満載な木彫り熊。
それをモチーフにしたグッズを通じて八雲の魅力を発信するのだが、随所で象徴的に使われているのが、熊の顔の中に“やくも”と入ったグラフィック。
これは戦前に、八雲の木彫り熊をブランド化させるために使用されていた焼印をトレードマークとしたもので、どこか民藝的な魅力すら感じさせる。
また、かわいらしい熊のイラストは画家、坂巻弓華さんの描きおろし。モチーフは八雲を代表する8人の作家の作品である。
100年前に遡る、日本と木彫り熊との運命の出会い
ここで、なぜ八雲が木彫り熊の聖地なのか。改めて歴史を振り返っておこう。
尾張徳川家19代の徳川義親は今から100年前の1922年、旅行中のスイスで木彫り熊を見つけた。
当時、北海道の南西部にある八雲町の開拓を進めていた彼は、冬の農閑期の仕事に良いと考えて、それを日本に持ち帰る。
Tシャツ5500円/ビームス(ビームス ジャパン 03-5368-7314)
その一体を参考に1924年、北海道第一号の木彫り熊が八雲で作られ、やがて多くの人が彫るようになる。また戦後には北海道旅行もブームとなり、木彫り熊は次第に、地域を代表する土産物に成長した、というわけだ。
グラス1100円/ビームス(ビームス ジャパン 03-5368-7314)
こうした、知ると楽しい歴史や知識も同時に伝えるべく、今回はすべての商品に下げ札としてプチ情報をトッピングしている。
バッグ各3850円/ビームス(ビームス ジャパン 03-5368-7314)
それらが一堂に会するイベント「八雲の木彫り熊」は10月5日(水)から11月2日(水)まで、東京・新宿の「ビームス ジャパン」で開催される。
日本の伝統や歴史をポップに変換しつつも、確かに次世代へとつないでいくビームス ジャパンの取り組み。地域創生の新しいスタイルとして、注目しておきたい。
[問い合わせ]ビームス ジャパン03-5368-7314